勘違いしたパンクバンドが客を「ジジイ」と・・・呆れたスタッフが…？？

熱い思いを伝えたり、受け取ったり…

音楽にはそんな力があります。

曲に込められるメッセージに、時には勇気づけられることもあります。

そんな音楽を生み出せる人は、人間的な深みが備わっているのでしょう。

しかし、中にはファッションだけで音楽をやっている”つもり゛の若者もいるかもしれません。

Aさんは、ある日知り合いのオヤジバンドのライブを見に行きました。

ライブには4組のバントが参加しており、知り合いはトリを務めるというので、始めからライブを楽しむことにしたAさん。

すると、若者バンドがAさんにとんでもないことを…。

知り合いのオヤジバンドが参加するライブに行ったAさん。

1組目は大学生ぐらいの、オアシスに影響を受けたかのようなバンドでした。

そして2組目に出てきたのは、メンバー全員がシド・ヴィシャスのような恰好をしたパンクバンド。

セッテイングが整うと、ボーカルはいきなりこう叫びます。

「俺たちの反骨精神みせてやんよ…大人のクソジジイはこう言うだろうな、ガキが調子に乗るんじゃねえ…クソくらえだ！」

大阪のバンドのはずなのに、標準語でまくしたてたボーカル。

さらに「後ろに座ってるジジイ、俺らのやってる間、立つんじゃねえ！目障りだからな！」と言います。

そして、全く歌詞の聴き取れない、音のバランスもめちゃくちゃな演奏が始まりました。

Aさんは「酷い演奏だなあ」と思って聞いていましたが、3曲目が終わった時、ボーカルがまさかの言動を取ります。

3曲を歌い終わり、ボーカルはハアハア息を切らしながらこう言いました。

「ハアハア…おい、後ろのジジイ、どう思ったよ…ハアハア」

いきなりAさんをイジってきたのです。

Aさんは仕方なく「ええんちゃうか？」と答えました。

するとボーカルは「知ったようなこと言うんじゃねえ！！俺らの曲はテメェみたいなジジイに聴いてほしくねえんだよ！」といい、Aさんに自分の財布を投げつけて来たのです。

Aさんは冷静に財布を拾い、無言で財布をステージに投げ返しました。

ボーカルは、無言でそれを拾い、また自分のポケットに入れました。

そして、ボーカルは「気ぃ取り直して次行こう！」と演奏を続けます。

曲が終わると、ボーカルはペットボトルの水を飲み、カラになったボトルをAさんに向かって投げつけました。

「テメェに届けるのはファックって4文字とテメェみたいなゴミのボトルだけだ…」

ペットボトルはAさんの所まで届きはしませんでしたが、さすがに頭に来たAさん。

ステージに向かって、「おい。やっていいことと、やって悪いこととあるやろ？」と大きな声で言いました。

するとボーカルは「そーゆーおめぇらの説教が俺らを歪ませてんだろがぁ！」と言い返します。

そこでAさんは「おい、箱の人、これええんすか？」とライブハウスの人に言います。

しかし返事はありませんでした。

Aさんは「お前らのそれ、パフォーマンスか地か？どっちやねん？古いぞ、それ」とボーカルに言いました。

するとボーカルは「クソは放っておいて、次行くぞ！」といい、演奏が再び始まりました。

しかし、演奏は始まったものの、スピーカーから音は出てきません。

演奏は止まり、ボーカルは慌ててマイクを叩いて確認しました。

その時、PAブースのスタッフが両手で「×」のサインを送っていることに気付きます。

「え？どゆことっすか？」

スタッフは「×」のサインを送りながら「これは無理。あかん。中止。」と言いました。

パンクバンドの振る舞いは、ついにスタッフに見限られたようです。

Aさんは、反骨精神でも何でもない、ただの「マナー」の問題だと、若者たちに、たっぷりお説教をくらわしてやりました。

音楽には人を変えたり励ましたりする力があります。

しかし、魂がこもっていないのであれば、それは誰にも届きません。

音楽をただのファッションとしか思えないような若者に「ジジイ」「ゴミ」呼ばわりされるのは、たまったものではありませんね。