化学療法が効かずに、がん細胞が他の臓器に広がっていた女性患者に対し、免疫系に働きかける実験的な治療を施した結果、がんが完治したとの研究結果が、米国の研究チームが発表しました。
医学誌ネイチャー・メディシン(Nature Mediceine)に掲載された論文によると、当時49才だった女性は、従来型の治療に、何度も失敗した事を受け、臨床試験に参加しました。
研究チームは、女性から免疫細胞の一種であるリンパ球を取り出し、調整を施した上で体内に戻す治療を施したのです。
化学療法が効かずに、がん細胞が他の臓器に広がっていた女性患者に対し、免疫系に働きかける実験的な治療を施した結果、がんが完治したとの研究結果が、米国の研究チームが発表しました。
医学誌ネイチャー・メディシン(Nature Mediceine)に掲載された論文によると、当時49才だった女性は、従来型の治療に、何度も失敗した事を受け、臨床試験に参加しました。
研究チームは、女性から免疫細胞の一種であるリンパ球を取り出し、調整を施した上で体内に戻す治療を施したのです。
研究チームは、女性の腫瘍から取り出したリンパ球を調べ、がん細胞に反応するリンパ球の種類を特定。
特定されたリンパ球は、研究室で再活性化され、別の種類のがんに対する治療で、効果が示されている免疫治療薬「免疫チェックポイント阻害剤」と共に体内に戻しました。
この方法により「個人に合わせた」抗癌治療を実現し、「完全な腫瘍の退縮」につながったと、研究チームは述べています。
その後の女性は、2年間にわたり、がんのない状態を維持できており、研究チームは、末期乳がんに苦しむ患者の治療における「新たな免疫療法アプローチ」と説明しています。
研究に関わっていない専門家からは「胸躍る」結果だとの声もあがっています。
また、カナダ・オンタリオがん研究所(Ontario Institute for Cancer Research) の専門家、ラースロー・ラドバー二氏は、同じくネイチャー・メディシン誌が掲載した解説記事で、女性が治療に対し、示した反応は、ここまで進行した乳がんとしては「前代未聞」と指摘しています。
従来型の治療が不可能だった末期の乳がんが、新しい免疫療法で完治することが出来たことは、世界中のがん患者にとって、夢のような現実です。
がんで苦しむ多くの人が、希望の光を持てる事は、本当に素晴らしい朗報ですね。
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