出典: static.tenki.jp
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石見銀山は、1500年代くらいには
世界の3分の1の銀を生産していたそうです。
石見銀山では、銀の精錬を含め、
世界的にとても評判の良い仕事をしていて、
銀を精製する「連銀」の技術が、
他の国よりも丁寧で良い製品でした。
ちなみに、日本の銀は、
他のアジアの銀よりも精度が良いそうです。
ヨーロッパや中国などの銀貨などにも使われていたのです。
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銀の採掘について、
ひとつ面白いお話を聞きました。
銀山では、試行錯誤しながら、銀を採掘していきます。
そこに銀があれば万歳なのですが、
銀を見つけられないと、
無給になって、食べていけません。
長くてで半年間掘っても銀が見つからなかったら、
だいたい諦めて別の仕事を探すようになっていた
そうです。
生活がかかっているので、銀を掘り当てることは、
とても大事なことでした。
銀山には、吉岡氏と宗岡氏という
お二人のお役人がいらして、
そのお二人が、「ここを掘ってごらん」と教えたら、
百発百中で銀が出るようになったとのことです。
その秘訣を知っていた二人は、
日本中で引っ張りだこになったそうです。
出典: cms.racms.jp
それは、「ヘビノネコザ」というシダ植物を
見つけることでした。
ほとんどの生物にとって有害な重金属。
しかし、「ヘビノネコザ」は、
珍しく重金属が集積している場所に
好んで生える生える植物です。
他にも、似ているシダ類は群生しているのですが、
この「ヘビノネコザ」だけ、
そのような特殊な生態があるのだそうです。
そのことを吉岡氏と宗岡氏はご存知で、
それを知ってから、佐渡島や他の鉱山でも
その発見方法を教えることになり、
日本全国の鉱山で鉱物が
よくとれるようになったそうです。
鉱物のあるところにだけ生える植物。
自然のメッセージを受け取ることで、
多くの方の人生が変わりました。
出典: papimami.jp
その一方で、銀山の採掘の仕事をする方は、
粉塵を吸ってしまう関係上、30歳まで
生きれば良い方といわれていたそうです。
その代わり、鉱夫の家族は、
手厚い保護を受けていたそうです。
なにが幸せかはわかりませんが、
寿命と引き換えにちょっと良いお給料をいただくこと。
ワーカーホリックと言われる日本人の習性を、
しみじみ考えさせられる内容でもありました。
出典: cdn.jalan.jp
結局、銀はたくさん掘られてしまい、
もう出なくなってしまい、
閉山してしまいました。
すべての銀を掘られて、
すっからかんになってしまいました。
この地方には、山の神様を祀る神社もあり、
その神社の下にも銀が埋まっていたそうです。
それもいつの間にかなくなってしまった
(つまり誰かが盗んだ)とのことです。
石見銀山にある佐毘売山神社(さひめやまじんじゃ)
では、一年に一度、「山の神様」を祀る神社の
宮司さんたちが集まって、サミットをするそうです。
銀山とその周辺の神々
それが当たり前に大切にされていた
日本人と神々との関係。
昔から、生きとし生けるものとつながる意識が、
自然に備わった日本人の生活。
そんなお話でした。
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