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洒落にならない怖い話で涼んでいかない? 「爪を食べる女、狂った教育ママ、隣の女子大生」他

どこまで狂ってるの…?
2016/08/25 UPDATE
 
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爪を食べる女

最近あった喫茶店での話。

普通に時間を潰していたところ、隣のテーブルでなにやら物音。

カリカリカリという音。最初は特に気にもならなかったので本を読んでいたのですが、30分ほど経ってもその音は消えません。

気になって振り向いたところ、びびりました。

爪を食べてます。しかも量が尋常じゃない。1リットルの牛乳パックにはち切れんばかりに入っています。

それも切った状態の爪じゃない。そのままはがしたような完璧な形で。

それを無心に食べていました。

30歳前くらいの普通の女性で、服装など特におかしいところはありません。

女性の前にはコーヒーらしきカップも置いてあります。

でも、何より驚いたのはジーっとこっちの首のあたりを見ていること。

恐怖より驚きが勝って、しばらく凝視していましたが、その内に恐怖が来て慌てて目を逸しました。

一体なぜ爪なんかを…。そしてなんで睨まれているんだ…。

自分の身に危険を感じ、早々に喫茶店を出ました。

喫茶店を出て交差点を渡り、駅まで行きました。

人通りも多く、安心したのも束の間。

さっきの女がいました。

駅の改札で。こちらを待つように。

でも、人も多いので変な事はされないはず…。

そう思い、出来るだけ避けて改札を通りホームに着きました。

幸いにもホームにあの女の姿はなく、そのまま電車が到着しました。

ほっとして席にへたりこんだ瞬間に、来ました。女が。

駆け込みながら電車に乗ってきました。

こっちはパニックに陥ってしまいました。

席に座ったまま、どうにかしなければ…と思っていると、あの女が目の前に立ち、つり革を握っていました。

凍りつきました…。

女は何もいわず、見せ付けるように牛乳パックを出し、爪を食べ始めました…。

結局そのまま電車は走り、女は何もしてきませんでした。ただ爪を食べるだけで。

自分は目的地の2つ前の駅で意を決して女を軽く押しのけ、降りました。

女は追っては来ませんでした。

あれは何だったのか…いまだに謎です。

海水浴で見た親子

俺は毎年7月下旬の平日に有給休暇を取り、湘南まで一人で海水浴に行っている。

土日は人が多いし彼女や友達と一緒も良いけど、一人の方が心置きなく一日砂浜に寝そべってビールを飲み、日頃の雑多なことを忘れられる。だから毎年自分の恒例行事にしている。

ビールを飲むので電車を使う。E電を降りてE海岸に行くまでの一本道に、多くの食堂やショップが並んでいる。

その中の一軒の食堂に、俺は遅い朝食を摂るため入った。

平日とは言え学校は夏休みに入っているので結構混んでいた。

隣の席は母と娘の親子連れだった。娘は小学校3~4年生くらいか…。

一人で飯を食っていると、聞くつもりはないが嫌でも隣の席の親子の会話が耳に入ってくる。

「お母さん、お父さんと離れてどれくらいたつ?」

娘の質問に母親は辛そうな声で答えた。

「…もう4年になるわね」

ああ、父親は単身赴任なのか。それとも何らかの理由で別居をしているのかな。

俺はどうでも良い想像を巡らせ、生シラス丼を食べていた。

「お父さん、淋しくないかな? ユカとお母さんとずっと離れ離れで淋しくないかな?」

ん? 単身赴任じゃないな。単身だったら年に何回か帰省するだろうし、『ずっと』離れ離れってことはないもんな。

「お父さんは強い人だから大丈夫よ。きっと元気よ」

『きっと』…? ああ、離婚したんだな。それで母娘で海水浴か。なんだか淋しいよな。

そう思いながら俺は渋いお茶をすすった。

俺は会計をしようと立ち上がったのだが、その時に聞こえたその母娘の会話に少なからずショックを受けた。

「お母さん、お父さんは別の世界でもタバコやめてないのかな。ユカはやめてっていつも言ってたのに!」

「どうかな。でもお父さんそれくらいの楽しみもあってもいいんじゃない」

ああ、父親死んじゃってたんだ…。

その後、俺は海岸に行き海パンに着替え、さっきコンビニで買い込んだ缶ビールをプシュっと開けてしばらく海を眺めた。

「あー、やっぱ海はいいいな~」

俺はさっきの母娘のことなど当然忘れて、束の間のバカンスを満喫していた。

数時間経った頃か…。ふと、3メートル程先の横を見ると、さっきの母娘がビーチパラソルの下にいた。

よく見るとその横に中年の男がいた。

二人で来ていたんじゃないのか? …それとも母親の再婚相手かな…。

なんとなく興味が湧いて、暫く横目で見ていた。

母娘とその男の3人は、どう見ても家族にしか見えなかった。

ああ再婚したんだ…それとも愛人とか…。

仲が良い3人を見ながら、俺は2本目の缶ビールを開けた。

ん? それにしちゃ、何でさっきの食堂にこの男いなかったんだろ? …砂浜で合流したのかな?

何か腑に落ちない感覚に囚われた。

その内、母と娘は手を繋ぎ浮き輪を持って海に向かって行った。

砂浜には中年の男一人になった。

俺は波間で戯れる母娘を見ながら、妙な思いが突然浮かんできた。

そして日差しの強烈な海辺に関わらず、寒気がして鳥肌が立った。

はっ!もしかしたらこの男…ひょっとして死んだ旦那じゃないか…?

俺は恐る恐る横の男を見た。

男もこっちを見ていた。

「うっ」

俺は思わず声が出た。

男は咥えタバコをしている。

そしてタバコを咥えたまま砂浜を四つんばいで俺に近付いて来た。

うわっ!来るな!やめてくれ!

俺は心の中で念じた。胸がバクバクする。

でも近付いて来る…。

俺の目の前まで来て男は言った。

「すみません。火、貸してもらえますか?」

俺はまじまじと男を見た。

幽霊でも何でもない。ただのおっさんだった。

ジッポで火を点けてやった。

そして俺は恐怖から解放された反動か妙に饒舌になり、その男と他愛もない世間話をした。

暫くしてその男が言った。

「でも、こうやって一人で海でゆっくりするっていいもんですね」

「そうですね…でもそちらさんはご家族連れで羨ましいですよ。僕なんか一人もいいけどたまには友達と海でワイワイやりたいですね」

社交辞令で俺は返した。

その言葉の後、男は暫くじーっと俺の顔を見ていた。

カッと眼を見開いていた。俺はその顔にギョッとした。

そして男は重々しくこう言った。

「…家族連れってどういうことですか…何かの嫌味ですかね…。女房と娘はもういません…4年前の丁度この日に他界したんですけどね…」

「は? だって…さっきまで横に…」

と言いかけて俺はハッとした。

男の尻の下にあった、三人くらいのスペースに広げていたマットが無くなっている。

男は地べたの砂浜に座っている。

バッグやポーチなども無くなっている。パラソルもない。

男はじーっと俺を見ている。

俺は慌てて海にいるであろう母娘の姿を追った。

家族連れが沢山いるので見つけにくいが探し続けた。

…でもその母娘を見つけることはできなかった。

俺は隣の男の方を見た。

いない…帰ったのか。

男が去った砂浜にタバコの吸殻が突き刺してあった。

あの母娘は幽霊だったのか?

いや、そんなことはない。

俺ははっきりあの二人の会話を聞いた。

そもそも、この世に幽霊なんているはずないじゃないか…。

俺はビールの酔いと思考を巡らせた疲れか、そのまま浜辺で眠りに落ちた。
それから1週間後、あの家族が気になって図書館へ行き、4年前のその日付の新聞を漁った。

気にし過ぎかもしれないが、何かそれっぽい記事が出ていたらちょっとびっくりするな。

例えば母娘が交通事故とか、海で溺れたとか出ていたら凄い話なんだけどな…。

俺は興味本位というか、刑事か何かになったつもりで社会面を開いた。

…絶句した。

『母娘包丁で惨殺。現場近くで夫首吊り…警察は夫と妻と子の殺害の関連について調べている…』

ぞっとした。

記事の横に3人の顔写真があった。

俺は慌ててその写真を指で隠した。見たくなかった。

そして思った。

来年からE島に行けないな。

ピチガイオカン

自分の記憶と兄から聞いた話、それに友達からの情報、それらを元にした話なので、完全に真実の話とも言えないかもしれませんが、結構怖いと思った話なので書き込ませていただきます。

始まりは、俺が小学校低学年の頃まで遡ります。

当時、神戸市垂水区にあった公務員宿舎に、俺の家族は住んでいました。

外観は古いタイプの団地って感じで、全部で十棟くらいあったと思います。

一つの棟には三つ階段があって、五階建て。ウチは五号棟の真ん中の階段の五階でした。

話の元となる家族が住んでいたのは、向かって右側の階段の四階、号室までは憶えていません。

そこは両親と一人っ子の長男の三人家族。父親は公務員で母親は専業主婦、長男は浪人生。

この母親と長男の関係が、最初の悲劇を生みました。

母親はかなりの教育ママで、自分の息子に、自分が望む志望大学に入学してもらいたかったらしく、半ば強制的に息子に勉強をさせていました。

何度目かの受験失敗の後、長男は母親のプレッシャーと受験失敗を苦にして、団地の四階、勉強部屋の窓から飛び降りて自殺しました。

結構大きな騒ぎになったらしいのですが、俺はあまり憶えてないです。

教育バカママは、その一軒がかなりショックだったらしく、精神的に追いつめられておかしくなっちゃいました。

夜中、突然散歩にでかけたり、外で会った人に「あなたの後ろに羽の生えた人が見える」なんて言ったりして、団地の住人にかなり恐怖を与えていました。

実際にウチの兄貴は、そのバカママ改めピチガイオカンに訳の解らないことを言われたらしいです。

他にも聞いた話では、死んだ息子の部屋の窓を必ず開けっ放ししていて、「閉めると息子が帰ってこれなくなる」なんて言っていたらしい。

だんだん症状がひどくなり、今度は部屋中に何処からか持ってきたお札を張りまくって、「あいつらが、息子が帰ってくるのを邪魔している」と夜中にわめき散らしたり、寝巻きのまま外に出たり、相変わらずの「あなたの後ろに羽の生えた人が見える」を団地の人に言ったりと、かなりヤバイ状態までいきました。

ここらへんのことは、俺も当時、団地の話題になったのを憶えています。

それで、旦那が困り果てて、色んな人(カウンセラーから宗教関係者、心霊系まで)に相談したものの、良い結果は得られなかったらしいです。

偶然にもその家族の向かいには某宗教団体に属する家族が住んでいて、ある日相談を受けたそこの父親が、そのピチガイオカンを訪問して、彼女の前でお祈りをしたところ、急にピチガイオカンの声色が変わって、その父親を罵ったり、手がつけられないほどに暴れたりと、エクソシスト張りのことがあった…、そんな噂も団地に広まりました。

家庭の事情で俺の家族が引っ越すことになってしまい、その後の経過を見ることなくその一件は記憶のかなたに追いやられることになります。
ウチの家族は何度か引越しを繰り返して、2年後、また神戸に帰ってきました。

しかし、例の公務員宿舎ではなく、少し離れた学区も違うところです。

それにその頃はすっかり、その家族のことなんて忘れています。

神戸に戻ってから4、5年経ったころ、俺がもう高校生になるかならないくらいの時、母親の友人がうちを訪れました。

その人は公務員宿舎に住んでいたときからの友人で、神戸に戻ってきてから時折、母に会いにウチに来ていたのです。

その日もくだらない世間話をしていましたが、俺が挨拶をしに顔出すと、「そういえば覚えてる?」とあの家族の話をはじめました。

ピチガイオカンは一向に良くならず、けっきょく旦那はピチガイをつれて、田舎の方に引っ越すことになりました。何処とは聞きませんでした。

そこで旦那がピチガイの面倒を見ながら、遠くの会社まで通勤していたらしい。

しかし、この旦那もかなりの年齢、よる年波には勝てないのと、ピチガイの面倒、長い通勤時間等がたたり、体調を崩してしまった。

それで早めに退職し、そのまま田舎でピチガイの面倒だけを見ることに。

旦那が退職して、しばらく経ったころ、近所の人がおかしなことに気づきはじめた。

夫婦の姿を最近見かけない。奥さんのほうがピチガイなの分かっていたし、旦那が最近退職したのも皆知っている。

旦那の方はよく買い物なんかに出かけていたが、このところ全然姿を見かけない。

おかしいとは思いつつも、家庭の事情が事情だけに、誰も家まで出かけてどうなっているのかを確かめたりはしなかった。

それから何週間か経っても、夫婦の姿をみかけなかった。

さすがにこれは本当におかしい、と思い始めた近所の人、近所といっても田舎で、家と家の間はかなり離れているので、具体的に家の状況とかは分からなかったので、警察に事情を連絡し、一緒に様子を見に行くことになった。

カギはかかっておらず、戸を開けると、その瞬間に異臭が漂ってきた。

明らかに何かが腐った臭い。

警察官と近所の人が中に入っていくと、寝室と思われる部屋に座る人影が見える。

敷かれた布団を前にピチガイの奥さんが座っている、きちんと正座して。

腐臭の元は明らかにその部屋からきている。部屋の入っていくとピチガイ奥さんと、その前に敷かれた布団の上には変わり果てた旦那の姿があった。

死後からかなりの時間が経っている様子、ピチガイの奥さんはその前でじっと座っていた。

後から聞いた話では、旦那は他殺ではなく、体調を崩しそのまま病死したらしい。

ただ一つ気になることは、家の中には食料と言えるものは一切なくなっており、近所の人も誰一人ピチガイ奥さんが買い物に行ったのを見ていない。

旦那が死んでから何週間もの間、ピチガイは何を食べていたのだろうか。

彼女の目の前にあったのは…。

後悔の念

俺は過去に二度、女の子を中絶させたことがある。一度目は完全に避妊ミス。17歳の若かりしころ。

二度目は、23歳の時。

2年程付き合った彼女なんだけど、俺は結婚を意識してた。子供できてもいいやとか思って、結婚の約束をした訳でもないのに、思い切り中に出してた。

拒否しないから、彼女もオッケーなんだと思ってた。

案の定、彼女は妊娠し、俺はそれをキッカケに結婚してくれと言った。もちろんオッケー…だと思っていたら、なんと、親からもちかけられた縁談が断れないからと、逆に別れ話をされてしまった。

なぜ縁談が断れないかというのは、話すと長くなるので割愛する。要は家の事情。政略結婚という訳ではないが、そんな感じ。

じゃあ、赤ん坊はどうすんの?って話だ。俺は子供が本当に楽しみだった。俺1人で育てるから産んでくれと説得したが、最後には向こうの両親まで出て来て、

「今から結婚するのに、他の男の子供がいてどうする」

と言われ、さんざんの抵抗もむなしく、赤ん坊はおろされてしまった。

17歳の時には、ぶっちゃけ「あー、めんどくせ」とか思っていた俺だが、その時は涙をこらえられなかった。その時のことを6年もしてから、本当の意味で後悔した。

それから、俺は妙な体調不良に悩まされ始めた。肩が重く、食欲もない。寝ても、思い出せない怖い夢を見て飛び起きる。

病院に行っても原因不明。俺はあんなことの後だから、ストレスなんだろうと思っていた。

じきに忘れ、体調も直ると。しかし、体調は日に日に悪くなり、メンタルクリニック等にも通ったが、とうとう仕事を休職するはめになってしまった。

それからは実家に戻り、家の手伝いをして、しばらく親に食わせてもらっていたが、体調は相変わらずだった。

68kgあった体重が、2ヶ月で52kgまで落ちた。病院にいっても、やっぱり原因不明。メンタルクリニックも、もう行っても無駄だと思った。

それからしばらくして、俺は法事に顔を出した。親戚は俺の変わり様に驚き、心配の声をかけてくれた。

法事も終わり、帰りがけにオフクロの姉の旦那の妹(叔母)の人が、俺に声をかけて来た。

「○○ちゃん(オフクロ)から話聞いたよ。おばちゃんね、霊媒師の人知ってるから、紹介してあげようか?」

何言ってんだこの人、と思ったが、治る可能性があるならと思い直し、後日、連絡を取り、紹介してもらうこととなった。

その霊媒師曰く、

「水子の霊が憑いてます」

ショックだった。確かに2人もおろしてる。俺は子供をおろした話を、この人にはしていない。

俺はすがるような思いで、その人に除霊をお願いした。

すると、

「除霊はしますが、それは水子の霊を供養することに他ならない。あなたの今の体調不良は、いうなれば生霊の影響なのです」

詳しく聞くと、水子の霊は憑いているが、その霊は俺にとって害になる霊ではないという。

その霊に影響する、俺の後悔の念と、別の人の後悔の念が重なり合い、今の状態になっているとのことだった。

そして、俺以外で後悔している人間も、同じように憑かれているはずだと。

水子の供養はそこでやってもらった。結構あっけなかったが、本当に心の底から手を合わせた。ちょっと涙が出た。

半泣きの俺をみて霊媒師が、

「その涙があなたを苦しめる原因なのです」

と言った。

俺以外に後悔している人間、それは17歳の頃か23歳の頃の彼女、どちらかしかいない。でもやっぱり、結婚を断られた彼女の方な気がした。

俺は数ヶ月ぶりに彼女に連絡し、会う約束をとりつけた。
数ヶ月ぶりに彼女と会った。彼女は俺を見て驚いていた。俺は彼女に霊媒師の話をし、心当たりはないかと訪ねた。

ところが彼女は分からないと言う。俺は「後悔の念」について問いただした。子供のことを後悔しているんならやめろと(それも変な話だが)。

しかし、彼女は新しい結婚生活も順風満帆で、幸せな毎日を送っているそうだ。子供のことはかわいそうに思っているが、特に強烈に後悔している訳でも無い。

なんだかみじめになり、その日は話を終えるとすぐに別れた。

残るもう1人の彼女かもしれないと思った俺は、早速連絡をしようと思った。だが、なにせ6年も前に別れたっきりで、連絡先を覚えていない。

俺は特に仲が良い訳でもない昔の知り合いに片っ端から電話して、彼女の連絡先を調べた。するとある女の子が、

「あー、○○ちゃんの友達の子でしょ。○○ちゃん聞けばわかるよ」

と言う。やった!見つかった!

「じゃあ、ちょっと聞いてもらいたいんだけど」と言うと、

「え、でもその子って…」と口籠る。

「どうしたの」と聞くと、

「亡くなったんじゃなかったっけ?」

「はぁ!?」

「え…?だって○○くん(俺)が…」

「ちょっと待って!どゆこと!?」

さんざん言い渋った挙句、聞き出したのは信じられない話だった。俺は彼女(17歳の頃)が子供をおろしてから、彼女が退院しない内に別れた。

元々大して好きではなかったのと、やはり妊娠騒動でうんざりしたことがあり、さらにその頃俺と付き合いたいという可愛い女がいたためだ(こうやって改めて言うと本当に自分が嫌になるが)。

その後、共通の友達もいなかった彼女の噂を聞くことはなかったのだが、なんと彼女はその堕胎が原因で1ヶ月後くらいに亡くなってしまっていたと言うのだ。

にわかには信じがたかったが、やはり連絡しないといけないと思い、連絡先を聞く事にした。

俺は昔の知り合いに聞いた連絡先に電話を入れ、彼女の両親と会うことになった。両親から聞いた話は、電話で知り合いに聞いた話そのままだった。

俺はなんてことを…。俺は両親の前で土下座して謝った。父親は何も言わなかったが、母親が口を開き、こう言った。

「謝ってもらっても、娘は帰ってこないのよ。法律的には、あなたには罪はないしね」

「でも…そういう問題じゃありません」と俺が言うと、

「そうよ。娘を殺したのはあなただと、私は思ってます。一生後悔して生きてね」

俺は血の気が引いた。きっと生霊というのは、この人なのだろう。

俺は呪われているんだ。罵倒され、殴られる方がずっとよかった。

体調不良は今でも続いている。霊媒師の所には今でも行っており、色々相談に乗ってもらっている。

俺の後悔の念が消えれば、向こうの両親の生霊(後悔の念)に干渉されることもない、早く忘れ、前を向くことだ、と言われている。

その為、禅寺にも通って禅を組んだりしている。でも、忘れるってどういうことなんだろうか。

子供おろしたってどうってことないぜ、と思っていた頃に戻ればいいんだろうか。最近俺の本棚には、仏教関連の本がいっぱい並んでいる。

最後に、彼女の両親に会った後、霊媒師に相談した時の会話。

「お母さんに許してもらえればいいんじゃないでしょうか…俺、毎日でも謝りに行こうと思ってるんですが」

「ダメです。もうお母さんには会ってはダメ。あなたにまとわりついていた後悔の念は、ハッキリとあなたへの憎悪となっています。ある種の呪いになろうとしている。もう、夢も思い出せるはず」

そう、俺は毎晩のように見る、おぼろげだが強烈な悪夢を思い出せそうになっていた。血みどろの部屋で泣きわめく中年女性。多分あの女性の顔は、お母さんなんだろう。

おまえこそ

自分が大学生の時の話。マジで思い出したくない。

自分が学生の時の友達にA君という奴がいた。A君には中学くらいの時から付き合ってるBさんという彼女がいて、いつもどこに行くにも一緒ってくらいのラブラブっぷりだった。

そんなある日、Bさんが交通事故で亡くなった。それ以来、A君は前までの明るかった性格が一変し、暗く塞ぎ込みがちになり、そのうち大学にも来なくなっていった。

心配した友人一同は何回もA君の住んでるアパートに行ったりもしたんだが、A君は大抵留守で、たまに部屋にいても居留守を使われる始末だった。

そして2ヶ月ほど経ち、みんながA君のことを忘れ始めた頃に、ひょっこりA君は大学にまた来始めた。

それは以前のような明るい性格のA君だったのだが、どこか影があるように感じられ、実際に顔はやつれて目は落ち窪んでいた。

どこか変わってしまったA君を他の友達は避け始めたんだが、自分だけは結構A君と仲が良かったので付き合いを続けた。

しかし、どうもA君の話しがおかしい…。

自分「なあ、A。あんまり考えすぎるなよ。落ち込むのは解るけど、そんなんでこれからどうするんだよ?」

A「大丈夫だよ。毎晩ちゃんとBが俺に電話で励ましてくれてるから」

自分「え!? 何言ってるんだよ?」

A「Bってば可愛いよな。俺の気持ちを察して電話掛けてきてくれるんだ。それのおかげでなんとか大学にも来れるようになったんだし」

A君は虚ろな目で自分を見ながら言う。

自分「しっかりしろよ! Bちゃんは死んだんだよ!」

A「しっかりするのはお前のほうだよ! Bは生きてる。ちゃんと俺に電話もくれるし……」

憤りながらも生気のない声で自分にまくしたてるA君に自分はゾッとした。

自分はA君がちょっと尋常じゃない精神状況にあると感じ、病院に行くことを薦めたが、いっこうに聞く耳もたない様子。

その時は自分もつい思い余って、

「じゃあおまえの部屋連れて行けよ! 俺がBちゃんと直接話すから!」

と言ってしまった。

今思うとこんなこと勢いで言うんじゃなかったと激しく後悔しているのだが…。
その日の夜、自分はA君の部屋に行き、普通に飯食ったりテレビ見たりして時間を過ごした。

その時一緒にいる分にはA君に特に変わった様子もなく、ふと時計を見るともう午前2時を過ぎていた。

『やっぱりA君はちょっと精神的に疲れてるだけだな。しばらく様子見ってことで大丈夫だろう』なんて思っていた矢先だった。

突然A君が立ち上がりながら言った。

A「ほら、来た来た」

自分「え!? 何が?」

ビックリしながら自分は聞いた。

A「何って、話しただろ。Bから電話が来たんだよ」

そう言ってA君は電話に向かって歩いていく。そしてA君はおもむろに “鳴ってなどいない” 電話の受話器を取ると、さも誰かと話しているように楽しげに会話している。

よくよく聞くと今日の大学での出来事とか、自分が部屋に遊びに来ていることなどを話している。

自分「電話なんか鳴ってないだろ~!!」

急に怖くなった自分は叫びながらダッシュでA君に近づき受話器をもぎ取った。

隣で「何するんだよ!」とか喚き散らしてるA君をシカトして、自分は受話器に向かって大声で言った。

自分「誰なんだよ! イタズラならたち悪いぞ! いい加減にしろ!!!」

しかし受話器からは何も聞こえてこない。ウンともスンとも言わない受話器に自分は少しホッとしてA君に言った。

自分「なんにも聞こえね~ぞ。ただの無言電話じゃね~か! いい加減に…」

そこまで言った時にふと気が付いた。自分は “鳴ってない” 電話の受話器を耳に当てていた。

普通、鳴ってない電話の受話器を取ると「ツ――――――――――」とかいう音が聞こえるはず。

なのに受話器からはひたすら無音だった。

胸の奥から恐怖がものすごい勢いでこみ上げてくる。受話器を耳に当てたまま完全に固まってしまった自分に、受話器から女性の、しかし図太く耳障りの悪い声がトドメを刺した。

「オ マ エ コ ソ ダ レ ダ」

自分は受話器を床に投げ捨ててダッシュでその部屋を出た。なぜかA君がその時、今まで見たこともないような顔でニヤニヤ笑っていたのを覚えている。

それ以来、自分は完全にA君を避けた。しばらくしてA君はまた大学に来なくなり、風の噂で退学したということを聞いた。

少女のお礼

この話は僕がまだ中学生だった頃、友人の家に泊まりに行った時に聞いた話。

友人と僕が怪談をしていると、友人の親父さんが入って来て、

「お前たち幽霊の存在を信じてるのかい? 俺も若い頃に一度だけ不思議な体験をした事があるよ」

と言い、ゆっくりとした口調で話を始めました。
あれは、22歳の頃の事だよ。

俺は高校生の頃、陸上部に所属していて、その頃の同級生と久し振りに集まってキャンプに行く事になった。

場所は、静岡県のあるキャンプ場。そこには電車とバスを使い、更にそのバスを降りてから1時間ほどかけて歩く。

俺達は3人で出発した。バスを降りて徒歩でキャンプ場へ向かう途中、道の脇にまだ真新しい花束が供えられているのを見つけた。

多分、俺を含めたみんながその花束の置かれている意味を理解していたとは思うけど、はじめは誰も何も言わなかった。

そしてそこを通り過ぎようとした時、仲間の一人が、

「なあ、みんな、この花束…。きっと最近、ここで事故か何かで亡くなったんだよな」

と言った。

みんな気になっていたのか、キャンプのために持って来たお菓子や果物をそこに供え、合掌してからキャンプ場へ向かったんだ。

キャンプ場に着くと、天候もあまり良くないせいか俺達を含めて3組だけだった。

河原にテントを張り、キャンプファイアーなどをやりながら昔話をしている内に、夜も更けてきた。

そしてそろそろ寝ようかとテントに入ると、雨が急に強く降ってきたんだ。

暫くすると、他の2組のテントも川が増水するのを懸念し、山すその方へテントを組み直していた。

俺達も「こりゃ、増水してやばいな」と言いながら、他の2組同様に山すそまでテントを移動したんだ。

テントを移動してから再び寝ようとすると、雨が更に強くなり、雷も鳴り始めた。

『ひどい雨だ』と思いながらも無理やり寝ようとした時、テントに何かぶつかる音が聞こえてくる。

「ボン、ボン」と…。

それは雨の音ではなく、石か何かを投げられているような音だった。

『きっと隣のテントのいたずらだな』と思い、「いい加減にしろ!」と外に出ると、誰もいない…。

一応隣のテントの中を覗いたものの、みんな熟睡していて悪戯をした気配もない。もう1組も同様だった。

気を取り直してテントに戻り、寝ようとすると、

「ボンッ!ボンッ!」

と先程よりも更に力強く、テントに何かをぶつけられている。

仲間の一人が、そっと外を覗いた…。

「あっ!女だ!白いワンピースを着た女がこっちに向かって、何か投げてるぞ!」

俺達は捕まえてやろうと取り敢えず全員で外に出て、女を追いかけた。
女はキャンプ場を飛び出して、行きに通って来た道をバス停の方へ向かって逃げた。

俺達は正直な話、相手が女だし、自分達は元陸上部という事もあって、すぐに捕まえる事が出来ると思っていた。

しかし、初めは20メートル程しか離れていなかった距離が、ぐんぐん離されてしまう。

しかもこちらは全速力で走ってるのに、女は時折こちらを振り返る余裕すらある。

体力も限界に来て、俺達はみんな立ち止まった。

「一体何なんだ、あの女は!」

「なんかあの女、変だよ。いくらなんでも足が速すぎるし。この辺り、バス停まで降りないと民家もない…。かといってキャンプ場の他の2組にいた女じゃないし」

「そうだよな」とみんな不思議な気持ちでいると、雨が更に強くなり、雷もひどくなっている。

テントに引き返そうとしてふと道脇を見ると、花束が置いてあった…。

そう、キャンプ場に来る途中に合掌した場所だ。

「おい、さっきの女、まさかこの花束の幽霊じゃないのか? 行きに余計な事したからかな…。黙って通り過ぎた方が良かったのかな」

「でも俺達、ただ合掌してお供えしただけだぜ」

もやもやした気持ちのまま、雨の中をキャンプ場へ戻った。

そしてキャンプ場へ着き、俺達が見たものは…。

なんと、土砂崩れで跡形も無く潰れていたテントだった。

俺達は急いでキャンプ場の公衆電話から警察に連絡をした。

警察が来るまでの間、俺たちの隣のテント2組も土砂に生き埋めになっていたので必死に助けようとしたが、土砂が積もっている高さは5メートルを超えており、なかなか作業が進まない。

やがて警察が駆けつけ、地元の報道局も駆けつけて来た。

俺達は、女の存在も含めて、なぜ俺達だけが助かったのかを話した。

しかし、後から報道されたのは、

「危機一髪、土砂が落ちてくる音に気が付き助かった」

と報じられていた。

地元の自衛隊の人達が来て、土砂の中から隣のテントで寝ていた人の遺体を運び出す作業が行われている。

俺達はただ呆然と見ていた。

『もしあの時、このまま寝ていたら…』と思うと、とても怖くなった。

すると、自衛隊の人が

「おい、君たち。持ってきた備品とか、私物。この土砂だし全部台無しだと思うけど、一応今から土砂を除けるから、持って帰れる物は持って帰ってよ」

と言った。

正直、亡くなった人の事を考えたら、私物なんてどうでも良かった。

案の定、私物が次々と出てきたが、どれもこれも使い物にはならなかった。

そして俺達のテントを張っていた場所から、奇妙なものが出てきた。

それは、数種類の果物だった。

その果物を見て誰もが思った。

『これはあの時、お供えした果物だ!』

そして俺達はキャンプ場を後にした。

バス停まで警察の人に車で乗せて行ってもらう事になった。

途中、花束の場所で停めてもらった。

お菓子は残っていたが、やはり果物は一つも残っていなかった。

「きっとこの幽霊が危険を知らせてくれたんだ。果物をテントに向かって投げてくれたんだ」

と、みんなでもう一度合掌した。

車に戻ると、警察官が話をしてくれた。

「確かにあの場所で一週間ほど前、キャンプ帰りの女の子3人組が事故に遭い…1人だけ亡くなっているよ」

その女の子は事故に遭った時、白いワンピースを着ていたという事だった。

カブト虫

夜、友人4人と車で山道走ってたら、1人が急に「虫がいた。停めて。カブト虫探す」 って言って時速30kmで走ってる車から飛び降りて、ゲラゲラ笑いながら山の中に消えていった。

実家に連絡して、警察には捜索願出した。1ヵ月後に友人は遺体で見つかった。

去年の夏休み中の話。

隣の女子大生

貧相なアパートに暮らす彼の唯一の楽しみは、隣に住む美女と語らうひとときだった。

ただ、一つだけ腑に落ちない点が…。

当時、彼の住むアパートは、築30年の6畳一間で、おんぼろアパートという言葉がぴったりの建物であった。

コンビニからも遠く、駅から自転車で30分もかかる物件だったが、そのぶん家賃は随分と安かった。

それでも彼は、そのアパートになにか温かいものを感じ、とても気に入っていた。

そして、それ以上に嬉しかったのは、隣の部屋に住む女子大生が美人で、とても親切だったことである。

顔を合わせるといつも挨拶してくれるし、付近のコインランドリーや美味しい定食屋など色々教えてくれたのだ。

そうする内に彼は、いつしかその女子大生に恋心を抱くようになっていた。

そして、彼女のことを考えると胸が締め付けられて苦しくなるのである。

彼はいつの日か彼女に告白しようと心に誓うのだが、その女子大生にも嫌なところがたった一つだけあった。

それは、彼女が幽霊の話をよくするところであった。

「このアパートには霊がいる」

「一階で霊の祟りで死んだ人がいる」

「昨日、金縛りに遭った」

など、廊下や階段での立ち話でも、必ずこういう話をするのだ。

「なんで、彼女はこんな話ばかりするのかな…」

元来臆病な彼は、そういう話を聞くのも駄目で、そのときばかりは閉口してしまうのだった。

ある夜のこと、彼が寝ていると何者かが布団の上に覆いかぶさってきた。

そして、彼の全身に重みをかけて、首を締めつけてくる。

「彼女が言っていた霊現象って、このことか…」

恐怖の中で、彼はそいつの手をなんとか引き離し、体をはねのけ電気を点けたのだ。

すると、部屋の中には誰もいない。自分が寝ていた乱れた布団があるのみである。

「これは、一体何なんだ。俺の幻覚なのか? 彼女が霊の話をするので、ついに本物の霊が出たのか…」

不審に思った彼は大家さんのところへ行き、この体験を話したところ、大家さんはこう言った。

「あのアパートには、あなたしか住んでませんよ」

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