メールや手紙で用件を書き終えたあとに、どう〆しめるか。私は以前から「よろしくお願いします」または「よろしくお願いいたします」を使うように推奨してきました。
メールや手紙で用件を書き終えたあとに、どう〆しめるか。私は以前から「よろしくお願いします」または「よろしくお願いいたします」を使うように推奨してきました。
「ここで本文は終わりです」というサインですから、最後の一言は重要です。同時に、相手を尊重している気持ちを伝えられれば、なお好都合です。その言葉として、私は「よろしくお願いします」が最適だと考えています。応用も簡単で、案件が今後も続くなら「引き続きよろしくお願いします」、相手に判断を仰ぐ内容であれば「ご検討よろしくお願いします」とバリエーションを増やせます。定型を踏み外さないほうが、相手は理解しやすいでしょう。
用件のあと、〆の言葉のほかに「追伸」を付け加える人もいます。手みやげへの感想など、用件に直接関係のないことを書くには便利です。しかし相手が簡潔なコミュニケーションを望む場合、むしろ邪魔だと思われてしまう恐れもあります。やりすぎは禁物です。コミュニケーションは、あくまでも相手しだいだということを忘れないでください。
◆よろしくお願いします。/よろしくお願いいたします。
――何か特定のことを「お願い」するのではなく、用件は以上であることをソフトに伝える定型文。
◆引き続きよろしくお願いします。
――一緒に進めているプロジェクトがしばらく続くような場合は、一語加えてこう書く。
◆ご検討よろしくお願いします。
――一本文中、相手に採否の判断、調整などを依頼した場合に。
◆以上、よろしくお願いいたします。
――一本文が長く続いたときに、まとめる意味もこめて「以上」をつけてもよい。
◆取り急ぎ、ご連絡まで。
――一速報するため簡単な手紙やメールを書いたときに。
◆取り急ぎ、携帯電話から失礼します。
――一外出先から急いでメールをしたときに。
◆ご報告まで。
――一上司や得意先への簡単な報告の最後に。
◆以上、ご確認ください。
――一用件の確認を促すときに。
◆取り急ぎご報告を差し上げます。
――一急いでいながらも、まずは報告をするときに。
【“逆効果”の恐れがあるフレーズ】
◆以上。
――ビジネス文書の書式だが、メールに使うと、つっけんどんに思われ違和感も。
◆取り急ぎ。
――本当に急いでいて報告内容も短いときは構わないが、乱用すると逆効果に。
◆乱筆乱文にて失礼しました。
――基本的に礼儀上書くだけの言葉だが、手書きでなければ意味が通じない。
◆追伸 アポイントは3日15時でお願いします。
――本文に書くべき大事な事柄を「追伸」に入れるのは厳禁。
ケース1:検討を促す
現状は以上のとおりです。
ご検討よろしくお願いいたします。
POINT●ビジネスメールは文学作品ではないので、定型文を踏み外さずに書けばいい。こういうとき、「ご検討よろしくお願いいたします」は確実な表現。
ケース2:案件が続く
本日現在のご予約数は804名です。
引き続きよろしくお願いいたします。
POINT●「よろしくお願いいたします」はいつでも使える便利な言葉。翌日以降にも注意を払ってもらいたいときは「引き続き」を加えるとさらに効果的。
ケース3:報告メール
さきほど主催の○○先生に連絡し、
例の件のご快諾をいただきました。
以上、ご報告まで。
POINT●出先からスマートフォンで報告を上げるときなどは、書式にこだわっていては時機を逃しかねない。簡単に「以上、ご報告まで」で構わない。
ケース4:元気をアピール
本件、いよいよ佳境ですね。
引き続きどうぞよろしくお願いします。
POINT●ある案件がもうひと踏ん張りでフィニッシュを迎えるとき、現場の責任者が全員に送るとしたらこんなメールがいいだろう。
ケース5:追伸を使う
追伸 ホームページを拝見しました。
情報が探しやすく便利ですね。
POINT●営業マンが得意先に対して提案のメールをするとき、追伸として一言。細かなことに気づいて褒められると、相手も悪い気はしない。
ケース6:署名を使う
平河 次郎
プレジデント社プレジデント編集部
〒102-○○○○ 東京都千代田区○○町 ○-○-○
POINT●メールの署名は、閲覧環境が違っても見やすいように配慮する。すべて左詰めとし、「★」や絵文字などの装飾は避けたほうがいい。
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