出典: www.kindai.ac.jp
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近畿大学が丑の日に限定200食のナマズ重とナマズ蒲焼を販売する。絶滅が危ぶまれるウナギの代わりに、同大学が開発した「うなぎ味のナマズ」を使う。(オルタナ編集委員=瀬戸内千代)
今月30日は土用の丑の日。ニホンウナギの出回る量は今年も少なく、蒲焼きは去年よりも値上がりしそうです。そうした中で“ウナギの代わり”として去年登場した“ウナギ味のナマズ”。今年はどこまで味がウナギに近づいたのでしょうか。
なんとも美味しそうな匂い。ウナギの蒲焼きのようにみえますが、ウナギに味を近づけた“ナマズ”です。
「まず最初“おいしい”と感じられるものにできあがったのでは」(近畿大学 有路昌彦教授)
開発したのは、クロマグロの完全養殖で知られる近畿大学です。えさや水質などを試行錯誤して6年。去年からお目見えしましたが、今年はさらに脂肪分がアップし、ウナギの味にぐっと近づいたということです。
「思ったよりやわらかいです。平目や鯛に脂をのせたような味がします」(記者)
先月からは機内食にも登場。土用の丑の日を前に、今週末には大手スーパーに並ぶ予定です。近畿大学の有路昌彦教授。机の横には「パチもん」、関西弁でいう「ニセもの」の見出しで誇らしげなナマズの姿が。しかし、ある問題に直面していました。
「ナマズ餌指針、やばいファイルです」(近畿大学 有路昌彦教授)
(開いてみるわけには?)
「だめです。絶対だめ」
極秘だという研究データ。有路教授のもとには、ウナギ味のナマズやその技術を提供してほしいという依頼が殺到し、今年は思うような量産ができなかったというのです。原因は・・・
「種苗(稚魚)が全く足りなくなってしまって。買いあさっているみたいで取り合いになっている」(近畿大学 有路昌彦教授)
「生まれて2週間。1匹80円で売っています」(鈴木養魚場 鈴木幸造社長)
全国でも数少ない、ナマズの稚魚を販売している養魚場。確かに、買いにくる客は去年と比べ5倍に増えたといいます。
(うなぎの代わりに養殖したいと?)
「うんといる。今年何件も増えている。10日くらい前には太陽光発電の会社がナマズを買いに来た。6500匹」(鈴木養魚場 鈴木幸造社長)
(今年は笑いが止まらない?)
「ニコニコだよ」
ナマズの里として知られる埼玉県吉川市にも変化は起きていました。こちらの割烹では、去年からウナギより安めの値段で従来のナマズを使って蒲焼重を提供し始めました。
「(客は)最近多い、若い人が。栄養価高いし、低カロリー、高たんぱくで」(割烹ますや 横川則雄社長)
しかし、厨房をのぞいてみると・・・
「ナマズの天ぷらです。やはり天ぷらが一押しでは。淡泊な味で」
一番人気は蒲焼重ではなく、天ぷらでした。
「白身魚と鶏肉の間みたいな感じ。天ぷらのほうが美味しいですね」(記者)
「かば焼きで推していく考えはない。ナマズはナマズの良さがある。一度ご賞味いただければ分かると思う」(割烹ますや 横川則雄社長)
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近畿大学は13日、研究分野で協力している牧原養鰻(ようまん、鹿児島県東串良町)と共同で、ウナギの味がするナマズの事業化に乗り出すと発表した。牧原養鰻が中心となって養殖の新会社を設立。近大農学部で養殖を研究する有路昌彦准教授らがノウハウを提供し、量産化を目指す。来年夏に100トンのナマズをかば焼き業者向けなどに出荷する計画だ。
ナマズは餌の種類を工夫したうえで、養殖池にきれいな地下水を使うと特有の泥臭さが抑えられて、ウナギに近い味になるという。8月に資本金5000万円で「日本なまず生産」(鹿児島県東串良町)を設立し、2%出資した有路准教授を取締役に迎えた。
新会社はナマズやコイなどの淡水魚を養殖する各地の業者と連携。飼育ノウハウを教えるほか、稚魚を供給する。800グラム程度まで育ったところで買い上げて、専門の業者や商社、量販店へ販売する。1キログラムあたり1000円以下で供給する方針だ。
ウナギは養殖に使う天然の稚魚(シラスウナギ)が減り、価格が上昇している。ナマズを活用することで比較的安い価格で消費者へ届けられるほか、稚魚の減少で稼働率が低下しているウナギ養殖施設の有効活用にもつながるとみている。13日開いた記者会見で有路准教授は「ナマズは小骨が少なく中性脂肪も少なくて健康的。普段食べる食品として普及を目指したい」と話した。
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