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遂に東京23区に世界遺産! ル・コルビュジエが基本設計を手掛けた国立西洋美術館本館!

世界文化遺産への登録が決まった国立西洋美術館本館(東京)はル・コルビュジエが基本設計を手掛けたが、詳細な設計や現場監理は日本人の弟子である前川国男、坂倉準三、吉阪隆正の3氏が行った。
2016/07/18 UPDATE
 
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「苦労報われた」喜び爆発=東京・上野で住民「誇らしい」―世界遺産

「うれしい」「苦労が報われた」。
所在地: 台東区上野公園内
建築年: 昭和34年(1959)
設  計: ル・コルビュジェ
施  工: 清水建設
構  造: 鉄筋コンクリート造
      地上2階地下1階
特  徴: 現代建築の巨匠ル・コルビュジェ
      の日本における唯一の作品
      キュビズム的な立体感が特徴

出典: hix05.com

ル・コルビュジエ(Le Corbusier、1887年10月6日 - 1965年8月27日)はスイスで生まれ、フランスで主に活躍した建築家。本名はシャルル=エドゥアール・ジャンヌレ=グリ(Charles-Edouard Jeanneret-Gris)。
フランク・ロイド・ライト、ミース・ファン・デル・ローエと共に「近代建築の三大巨匠」として位置づけられる(ヴァルター・グロピウスを加えて四大巨匠とみなすこともある)。

出典: www.jiji.com

国立西洋美術館本館(東京都台東区)の世界文化遺産登録が決まった17日、地元の台東区役所では世界遺産委員会の審議中継をインターネットで見守っていた関係者が、喜びを爆発させた。

会議室では、区議や区職員ら約60人が中継に見入り、午後5時すぎに登録が決まると、「やった」という歓声とともに大きな拍手が湧き起こった。登録推進運動の中心となった服部征夫区長と宮田亮平文化庁長官、西洋美術館の馬渕明子館長の3人は「本当によかった」と笑顔で手を握り合った。

 服部区長は「準備を始めて10年、区にとっては悲願だった。これからは世界遺産のある町として、魅力を世界に発信していく」と胸を張った。宮田長官も「うれしいの一言に尽きる」と話し、「この遺産が世界中の人に愛される環境づくりが必要」と観光面などでの盛り上がりに期待した。

 世界遺産委員会の開催地トルコではクーデター未遂が起き、委員会の審議が一時中断。西洋美術館の登録が先送りになる可能性もあり、16、17日に予定されていたパブリックビューイングは中止になった。現地にいる太田雅久区議会議長は、テレビ電話で「この1週間、いろいろなことがありすぎて」と目頭を押さえ、「この瞬間に立ち会えて本当によかった」と感激した様子で話した。

 西洋美術館の前では、登録決定のニュースを見て駆け付けた近所の飯田みちよさん(45)が「クーデター未遂で登録が無理かなと思っていたが、よかった。地元住民としてうれしく、誇らしい」と喜んだ。

 毎日美術館の前を通って登校しているという高校2年早瀬翼さん(16)は「こんなに身近な所で世界遺産ができるなんて」とびっくりした様子。同区の自営業戸村真二さん(60)は「登録でお客さんが集まり、地域がますます活性化してくれたら」と話し、万歳のポーズで記念撮影していた。 

国立西洋美術館は,松方コレクションがフランス政府から返還されるのを受けて、その受け皿として作られた施設です。

松方コレクションとは、川崎造船社長であった松方幸次郎が第1次大戦後のヨーロッパに渡って収集した美術品のコレクションで、その数は400点以上に上ります。主として同時代人の作品を集めており、ロダンの彫刻が特に有名ですが、モネやルノアールなど、印象派絵画の逸品も多く含まれています。

松方はこれらの作品をフランスに残して帰国しましたが、戦後返還されることとなったものです。

出典: www.madamefigaro-wlp.jp

日本政府から設計を依頼されたル・コルビュジェは多いに張り切り、壮大な建築プランを提出しました
それは、彼独自の設計思想の具現を図ろうとするものであり
上野公園全体を包み込もうとするほど スケールの大きいものだったといわれています
しかし、単に美術品の保管展示だけが目的だった日本政府は
ル・コルビュジェの案の大部分を切り捨て、ギャラリースペースだけを取り出して
採用しました それが今日見る美術館本館です

1979年には、ル・コルビュジェの弟子前川国男による新館が本館の裏側に増築されました
前川はル・コルビュジェの当初案にもかかわっており
増築にあたっては、その精神を少しでも復活させようと努めています

出典: img-cdn.jg.jugem.jp

国立西洋美術館本館

日本にある唯一のコルビュジエ建築
国立西洋美術館本館(1959年完成)はフランス人建築家ル・コルビュジエ(1887~1965年)によって設計された美術館である。コルビュジエの設計した建築及び都市計画が世界遺産の登録候補に挙がっていることから、この西洋美術館本館も彼の建築作品の一つとして世界文化遺産の暫定リストに載る事が今年(2007年9月)決定された。
  西洋美術館本館は日本にある唯一のコルビュジエ建築で、東京に誕生するかもしれない初の世界遺産として注目が集まっている。ここでは、西洋美術館本館の建築にスポットを当ててその魅力を紹介したい。

 まず最初に、この建物を設計したル・コルビュジエについてふれておきたい。コルビュジエは鉄筋コンクリートを使った建築で先駆的な役割を担った建築家で、建築単体から都市計画まで幅広く活躍した。「近代建築の始祖」や「モダニズム建築の巨匠」と呼ばれている建築家である。一言で書くとこうなるのだが、一体何がどう凄いのか主要なキーワードを箇条書きにしながら少し詳しく述べてみよう。
・ 【ドミノシステム】
  西欧では近代までは石やレンガによる組積造が主流だったのに対し、コルビュジエは鉄筋コンクリートという新しい素材を用いる事によって、床、柱、階段のみで構造的に自立する建築システムを考案した。それまでの建築は柱ではなく壁が構造の要だったのである。
・ 【近代建築の5原則】
  「ピロティ」、「屋上庭園」、「自由な平面」、「水平連続窓」、「自由な立面」の5つの要点を近代の建築を成り立たせるための5原則とし、自らの設計の中で実践した。この5原則はドミノシステムによって可能となる空間構成要素なのである。
・ 【モデュロール】
  近代に入り世の中がメートル法(地球規模の寸法体系)に統一されていくのに対し、人間の身体尺度を利用した建築の寸法体系を考案した。鉄筋コンクリート構造は構造の安全性が確保されればどのような建築でも造れる利点がある反面、それまでの積石造の持っていた人間的なスケール感から離れて行く危険性も合わせ持っていた。スケールアウトする建築と人間との寸法関係を紐解く新しい尺度なのである。

 以上コルビュジエの建築的な特徴について紹介したが、西洋美術館本館はこれらの設計思想が散りばめられた建築なのである。つまりコルビュジエの提唱する近代建築を目で見て体験できる建築作品が西洋美術館本館と言う事ができるのだ。では、具体的に建物の鑑賞に出かけてみたい。

出典: livedoor.blogimg.jp

「近代建築の5原則」の一つ。美術館の入り口部分の列柱によって支えられた一階の外部空間。人や風が自由に出入りすることのできる場所。このような空間は柱と床(天井)によって建築を支えることができて始めて可能になる。

出典: museum.tachikawaonline.jp

ピロティを抜けて常設展入口の19世紀ホールに入る。ここは国立西洋美術館本館のちょうど真ん中に位置する場所だ。コルビュジエはこの美術館を四角い渦巻き型の配置に設計した。中心から外周に向かって拡大していく、「成長する美術館」とういアイディアが具現化された平面系なのだ。奥に見えるスロープはコルビュジエの建築によく用いられる手法で、視点の上下移動をゆっくりと楽しむ事ができる。

出典: museum.tachikawaonline.jp

スロープに従って右回りに進むと二階の展示室に入る。二階は一階の吹き抜けを囲むように回遊式の展示空間になっている。天井の高さが2段階に分かれていて、奥行のある空間が造り出されている。低い方の天井の高さはモデュロールで決められた226cmとなっている(この寸法は成人フランス人男性が手を伸ばした時に届く高さである。天井の高い方の高さはその2倍)。この二段階の天井構成は回遊式の展示空間全体に同じように続き、建築だけを見ていると渦巻きのごとくグルグル回ることになるので、要注意だ。上部の光がさんさんと降り注いでいるガラスの連続窓は当初自然光が屋上から取り入れられるようになっていたようだが、現在は蛍光灯が入っているとのこと。

出典: museum.tachikawaonline.jp

「近代建築の5原則」の一つ。二階の展示室や、一階のピロティに円形の柱の列柱が見られるが、これは壁ではなく柱によって上階の床を支えることによって平面(間取り)の自由度を増した構造計画である。独立柱は木造の柱と梁の住宅に慣れ親しんだ我々日本人にとっては特に珍しい構造には見えないかもしれないが、石やレンガを積み上げた西欧の建物では「壁」は構造上重要な役割を担っており、「壁」をなくすことは画期的なことであった。正に近代という時代の構造だったのである。構造上主要な壁を柱に置き換えることによって、間取りに自由度が増し、大きな開口部を確保することができるようになったのである。

バルコニー(写真) 19世紀ホールの吹抜けに面して突き出したバルコニー。このバルコニーもコルビュジエの建築によく用いられる手法の一つで、床を吹抜けに突き出すことで二階と一階がより複雑に絡み合い豊かな空間を演出している。彫刻を上部から観察できるのも、この空間ならではの鑑賞方法だ。

出典: museum.tachikawaonline.jp

二階の展示室に設けられた中三階に上る階段。一階の吹抜けに設けられたバルコニーのように、二階にも同じような空間の構成が繰り返し造られている。現在は残念ながら中三階に上がることはできないが、積層された空間は上方への期待感が高まる空間構成となっている。

出典: museum.tachikawaonline.jp

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