10月1日、スウェーデンのカロリンスカ研究所は2018年のノーベル医学生理学賞を、京都大高等研究院の本庶佑(ほんじょ・たすく)特別教授と米テキサス大のジェームズ・アリソン教授の2氏に授与すると発表しました。
日本人がノーベル賞を受賞するのはアメリカ国籍を取得した人を含めて26人目で、同賞の受賞は2016年の大隅良典氏以来2年ぶりということに、ネット上からも多くの賞賛の声が寄せられています。
今回、本庶氏のノーベル賞の対象となった研究成果などについても詳しくみていきましょう。
本庶氏らの研究グループは1992年、免疫の司令塔を担うリンパ球「T細胞」で働く「PD-1」遺伝子を発見しました。
そして、この「PD-1」というタンパク質が免疫反応のブレーキ役に相当することが分かり、ブレーキを外せば免疫力が高まってがん治療に応用できるのではないかと考えたのです。
その後、「PD-1」をマウスに投与したところ、ブレーキが外れたことで免疫が強まりがんの増殖が抑えられることを確認。その上で、小野薬品工業(大阪)が臨床試験を行い26年に『オプジーボ』を発売しました。この薬は、がんの免疫療法を医療として確立し、既に世界60カ国以上で承認されています。
この受賞の知らせにネット上からは
・「おめでとうございます。同じ日本人として、誇りに思います。」
・「これまでの研究が身を結び、遂にノーベル賞まで受賞したのはとても凄いことだと改めて感じました。感動をありがとうございます!!」
・「おめでとうございます!結果が出るまでに大変な苦労と努力をされたことでしょう。」
など、多くの称賛の声が寄せられました。
今回の二人の業績により、これまで行われていた手術による切除や放射線照射、抗がん剤による化学療法などのがん治療法に、全くアプローチの異なる「免疫チェックポイント阻害剤による免疫療法」という第4の方法が加わりました。これにより、がん治療の選択肢が広がり患者さんを救う道が開けたのは明らかです。
近い将来、がんという病気が恐怖の対象ではなくなる日が来るかもしれませんね。
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