これまで、
「時をかける少女」
「サマーウォーズ」
「おおかみこどもの雨と雪」
を手掛けた、細田守監督の最大のヒット作、
「バケモノの子」
様々なヒット作の中でも最大のヒット作ということは、必然的に『おもしろい映画』と予想を立てて観る方が多いのではないでしょうか?
この作品について細田監督はこのように語っています。
「おおかみこどもの雨と雪」公開後、僕に息子が生まれたことが、やはり一番大きなキッカケかもしれません。
前作(おおかみこどもの雨と雪)では「子どもを育てるお母さん」に焦点をあてたが、今回考えたのは「子どもがこの世の中で、どうやって成長して大きくなっていくのだろう」ということ。
自分自身が親となって実感したことでもあるが、子どもというのは親が育てているようでいて、実はもっと沢山の人に育てられているのではないかなという気がするのです。
心の師匠みたいな人が現れて、その人の存在が大きくなっていくだろう。
そうしたら、父親、つまり僕のことなんて忘れちゃうかもしれない(笑)。
それが微笑ましいというか、それくらい誇らしい成長を遂げてくれたら嬉しいなということを子どもに対して思うのです。
子どもが沢山の人から影響を受けて成長していく様を、この映画を通して考えていきたいです。
そういう映画はあるようでないと思うので、そこが凄くチャレンジではないかと思います。
確かにその通りかもしれませんね。
自分の人生において、親以外の影響を受けた人物というのは誰にでも少なからず一人はいるのではないでしょうか?
親元を離れ、その人物のもとで成長していく人や、学校の先生・友達、会社の上司・同僚、国内外の有名人の方など、様々な人生における『師』と呼べるような人との出会いが、その人の人生を大きく変えることがあるかもしれません。
そうした、自分と照らし合わせた目線でこの映画の登場人物である久太と熊鉄の関係を見ていくのも、また違った面白みを感じることが出来るかもしれません。
そして、そういった監督の思いが込められていることから、監督が特にこだわったワンシーンがあるようなのです。
そのシーンを撮影する際に監督は、熊鉄の声優を務めた「役所広司」さんにこのような言葉をかけられたそうです。
「このセリフのためにこの映画全部がある」
凄い言葉ですよね。声優を務める人も必ず気持ちが込められるような、監督の思いが素直に伝わってくる、そんな言葉だと感じました。
そのシーンというのが、物語の終盤、久太が一郎彦との対決に勝利した後、胸の中の熊鉄に
「オレのやることを、そこで黙って見ていてほしい」
という場面。本来はそこで熊鉄はそのまま黙って聞いているだけのシーンの予定だったのだが、細田監督が急遽、
「おうっ、みせてもらおうじゃねぇか」
というセリフを熊鉄に与えたそうなのです。
細田監督の中での父親像から、そのセリフにしよう!という想いがでてきたのかもしれません。
というのも、細田監督自身が父親が仕事人間で細田監督も一緒に遊んだような記憶がないほどだという。
そして、反抗したり甘えたりという父と子の関係を築く間もなく、細田監督が30歳の時に父親が他界してしまう。
この経験から細田監督が築きたかった父と子の関係をこの映画に投影したのではないでしょうか?
是非そのような細田監督の想いが込められたこのシーンにも注目して鑑賞してほしいと思います。
この映画の主題歌を歌っているのは、なんとあの有名バンド
『Mr.Children』
なのです!
題名は「Starting Over」です。
映画とマッチしていて、作品の良さをさらに引き立ててくれるようなとてもいい曲ですよね!
題名の文字通り「新たな出発」という意味を噛み締めてこの曲を聴いてみてください!と、細田監督も語っています。
また、Mr.Childrenの桜井和寿さんは映画を鑑賞し、
「凄い映画を観てしまった。一人の父親として、それから試行錯誤を繰り返す作家のハシクレとして、込み上げてくる感情に胸が苦しくなった。この素晴らしい作品に、微力ながらでも携われることに大きな誇りを感じています。」
と喜びを語っています。
役所広司(熊鉄)
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宮崎あおい(久太・少年期)
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染谷将太(久太・青年期)
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広瀬すず(楓)
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津川雅彦(宗師)
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リリー・フランキー(百秋坊)
大泉洋(多々良)
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こう見てみると凄いメンバーですよね!
何より今やCMやドラマ、映画にまでひっぱりだこな女優さんの「広瀬すず」の名前も入っています。
ここまで紹介してきた内容を頭に入れて観てみると、まだ観ていない方も、観たことのある方も、新たな楽しみが出てきてこの映画をさらに楽しめるのではないでしょうか?
是非とも『バケモノの子』を何回でも観てみましょう。
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