真面目に一生懸命生きていても、いわれのない事で裏切られる、そんなひどい経験をしたらどうなってしまうのでしょう。
復讐を考える前に、普通の人なら心が折れてしまいますよね。
Aさんは、本社勤めから希望だった地元支社に移動し、幼馴染との結婚も決まり幸せでした。
ところがある日、行方不明だったという、妻の父親がふらりと戻ってきます。
そこから、Aさんの人生は思いもよらない方へ転がって行ってしまいました。
真面目に一生懸命生きていても、いわれのない事で裏切られる、そんなひどい経験をしたらどうなってしまうのでしょう。
復讐を考える前に、普通の人なら心が折れてしまいますよね。
Aさんは、本社勤めから希望だった地元支社に移動し、幼馴染との結婚も決まり幸せでした。
ところがある日、行方不明だったという、妻の父親がふらりと戻ってきます。
そこから、Aさんの人生は思いもよらない方へ転がって行ってしまいました。
Aさんは、幼なじみだった妻の、行方不明の父親が、ふらりと戻ってきたことで、妻から助けを求められます。
妻の父親は、浮気性で、DVで、ギャンブル好きという最悪なタイプ。
有休をとって、父親をなんとか地元から追い出すために数日間奔走しました。
ところが、その間に、同級生でもあった会社の同僚と妻が浮気していることが発覚。
それがバレると、いきなり手切れ金300万円を渡され、離婚されてしまいます。
衝撃をうけたAさんでしたが、さらに追い打ちをかけられます。
会社から無断欠勤を理由に解雇、さらに訴えられたのです。
確かに有休申請を出したはずのAさんでしたが、会社側は言い分を受け付けず、賠償金まで取られ、解雇処分になりました。
加えて、地元の友人たちに、Aさんが妻にDVを行っていた上、同僚に妻を金で売ったというデマが流され、噂を信じた人たちから責められてしまいます。
完全に人間不信になってしまったAさん。
特に女性に対しては恐怖すら感じるようになってしまいました。
そんな時、本社で可愛がってくれたFさんが連絡してきます。
Aさんの同僚が会社での処分を不審に思い、Aさんの状態を心配してFさんに連絡してくれたのでした。
Fさんは、悲惨な状態のAさんを見かねて、「しばらく住み込みで娘の家庭教師をしないか」と言ってくれます。
Aさんの娘Cさんは、まだ高校2年生でしたが、学校で凄惨ないじめにあい、彼女も人間不信になっていました。
中学生の頃、学校で一番のイケメンから告白されたCさんでしたが、断ったことを理由に男子からも女子からもいじめにあったそうです。
またイケメンからはセクハラまがいの嫌がらせも受け、男性恐怖症にもなってしまいました。
Cさんは人間不信から、高校でも対人関係がうまく作れず、孤独でした。
突然現れたAでしたが、同じ傷を持っていたため、互いに距離感を取りながらも、少しずつ距離を縮めていきます。
やがてCさんは大学に合格、奇しくもAさんの母校に入学しました。
またAさんはFさんが独立して立ち上げた会社に誘われ、社宅に入ることになります。
AさんはFさんに「今までの家賃を給料から払いたい」と申し出ました。
するとFさんは、「家賃はいいから、娘を君の社宅に同居させてくれないか」と言い出します。
その方が大学に通うのに近いからという理由でしたが、男の一人暮らしに娘を住ませるのはどうかと思ったAさん。
しかしFさんは「君を信頼してるから問題ない」と言い切ります。
やがて、CさんはAさんと同じゼミに入ります。
その縁もあり、Aさんは、Cさんやゼミの学生を営業先に連れて行き、大学の外で勉強させる機会を作ったりするように。
そして時は経ち、いよいよCさんは卒業を迎えることになりました。
ゼミにいろいろ関わってくれたお礼にと、Aさんも卒論終了打ち上げに呼ばれます。
仕事を終え、会場に向かったAさんでしたが、会場の店の前で、何やらもめている男女がいました。
男ともめている女性はCさんでした。
泣きながら、抵抗しているCさんを見たAさんは頭に血が上り、相手の男性に突撃し、鞄で男の顔を殴り飛ばします。
そして、パニックになったCさんを優しく抱きしめ「大丈夫だから」と落ち着かせます。
女性恐怖症のことなど、すっかり忘れていました。
騒ぎを聞きつけ、中にいたゼミのメンバーや、やじ馬が集まりだします。
殴られた男は立ち上がり、Cさんに向かって暴言を吐きました。
「おっさんが相手かよ、中学の時から援交やってたんだろ、ビッチが!」
AさんはCさんのトラウマを作った相手がこの男だと気付きました。
どうやら、Cさんと同じ大学に通っていたらしく、たまたま今日鉢合わせしてしまったようです。
Aさんは、男の胸ぐらを掴み、頭突きをかまし、股間に膝蹴りをくらわしました。
「ふざけるな、このサル野郎!お前のせいでCちゃんは人間不信のトラウマ背負ってんだ、クソ野郎が!」
そこで、はっと周囲の視線に気づいたAさん。
そのまま会はお開きになり、打ち上げは後日仕切り直しとなりました。
この一件で、AさんとCさんの距離は完全に縮まりました。
互いの思いを打ち明け、結婚を前提に交際をすることに。
親であり上司のFさんに報告すると「お前ら、まだ付き合ってなかったのか」と笑いながら言われたそうです。
2人とも、少し遠回りをしてしまったようですが、本当に信頼できる相手とようやく巡り合えたようです。
これからは、互いを信じて、よい家庭を作れるに違いありませんね。
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