20代半ばのある女性が、一番仲の良かった友人が結婚し、誘われて泊りがけで遊びに出かけたその夜の事、思いがけないアクシデントが起きて、彼女は長い間疑心暗鬼になり、頭から離れない状態に陥っていました。
突然田舎でお見合いをして結婚したA子さん。
半年ほど経った頃、新居に誘われ、泊りがけで出かけました。
その新居はとても大きく立派な日本家屋で、感動をしたほどでした。
A子さんの旦那さんとは、披露宴以来二度目に会ったことから、すっかり打ち解け三人で食事をしながら、午後10時過ぎまで話が盛り上がりました。
A子さんの旦那さんも、とても穏やかで優しく、その上高給取り。
そして性格まで良い人なので、A子さんが羨ましくさえ思えるほどでした。
”お風呂に入ってゆっくり休んでもらって、構わないですよ”と、勧められるまま、いただいたお風呂でしたが・・脱衣室で妙な違和感を感じたのです。
ショーツや肌着は、小さくたたんで、セーターの中に挟んでおいたものが、なぜかセーターの間から、半分くらい出てしまっていたのです。
出典: lasoreiyu.com
お風呂に入っていた時の、下着への違和感がやまず、彼女は障子の桟のところに、小銭を何枚か載せる事にしました。障子が開いたら落ちるようにと。
旅の疲れもあり、すぐに眠りについた彼女でしたが、暫くしてチャリン!チャリン!チャリ~ン!と、小銭が落ちてぶつかり合う音で、一気に目が覚めました。
そして足音が去っていく気配も・・・
そして念のためもう一度小銭を桟に乗せ、何事もなく朝を迎えました。
朝になって、リビングではA子さんが、朝ご飯の支度をしてくれていました。
旦那さんは急な仕事で、朝早く出て行ったとのこと。
幸せそうな姿のA子さんに、昨夜の出来事は何も言えず、そのままA子さんの家を後にしました。
その後は何回かの手紙のやりとり位で、彼女も結婚したことから、徐々に疎遠になっていきました。
そして数年後、同僚からA子さんの離婚を知らされたのでした。
原因は旦那さんの、未成年へのわいせつ行為で、逮捕されたからだったようです。
”やっぱり、あれは旦那さんだったんだ” 忘れようとした、泊りがけの夜のことを思い出し、”あの時A子さんにちゃんと話していたら”と、少し後悔のような想いも湧き出たのでした。
仲良しの友人の新居に招かれ、とても楽しく思い出深いはずの記憶が、長い間心に残った疑心暗鬼の想いは、なかなか払拭できないようです。
でも彼女自身も、幸せな結婚生活をしているので、今では心穏やかな日々を送れていると信じたいですね。
コメント