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両親の介護問題は、年齢を重ねると必ず起こりうるものです。
当然、家族や兄弟の協力なしに介護はとても大変ですよね。
A子さんの義理の母は、とても厳しい人で、ずいぶんひどく嫁いびりをしていました。
しかし、ついに痴呆となり、「施設なんてだめ」と言う兄弟の手前、夫が長男だからという理由で、A子さんが介護をすることになりました。
ところが、義理の母は偏食もひどく、徘徊を繰り返し、トイレもしょっちゅう失敗し、汚物を部屋にまき散らすこともしばしば。
その上、姑は昼寝のせいで夜は寝ず、A子さんを夜中にたびたび起こし、介護は精神的にも肉体的にも、大変ものになりました。
しかし夫は、一切介護を手伝うことはなく、家の事は主婦がやるのが当然と言います。
そこでついにA子さんは…
ある朝、姑の部屋に行ったA子さん。
すると部屋の中は、凄まじいことになっていました。
下痢をした姑が、おむつを外し、それを部屋中になすりつけていたのです。
A子さんは、娘にも手伝ってもらい、1時間ほどかかって片付けをしました。
ようやく終わったころ、昨夜、酔って帰ってきた夫が起きてきました。
そして「俺のメシがない！着替えがない！」と大騒ぎします。
疲れ切ったA子さんが、「子どもにも適当に食べてもらったから、自分で何か食べてください」と言うと、夫は怒り心頭。
「専業主婦のくせに、一家の主のメシの支度もできないのか！」
「三食昼寝付きで、無駄飯を食らう怠け者だ！」
「お前のような女を嫁にしてもらって、俺に感謝もしないのか？！」
ついにA子さんの中で、何かが切れてしまいました。
「じゃあ、私が働くので、あなたか家事と介護の全てをやってください」
ちょうどA子さんは、実家の兄から家業を手伝ってほしいと言われていたところでした。
結婚前には家の仕事を手伝っていたA子さん。
手伝うのに必要な資格を持っており、給料もA子さんの夫より多い金額を言われていたのです。
また夫の会社でも介護休暇が取れる制度ができたところだったので、それを利用することにしました。
仕事に復帰し、家事や介護の手伝いは一切やらないようにしたA子さん。
夫は一週間もたたないうちに、音を上げました。
「主婦業が楽だなんて言って申し訳ありませんでした」と土下座。
夫は、介護中ぎっくり腰を起こし、ついに姑を老人ホームへ入れることになりました。
施設はとても良く、そこで暮らす姑も見違えたように生き生きしました。
夫と2人で、毎週姑の様子を見に行くようになったA子さん。
夫も、元気そうな母親の姿に喜びました。
また、夫婦の関係も以前よりずっと良くなり、夫はA子さんへの感謝も口にするように。
姑の見舞いにも行かない義理の兄弟たちは「親を施設に入れるなんて」と嫌味を言いましたが、実際に施設に連れて行くと驚き、みんな口ごもる始末。
「これ、施設の支払いの請求書です。兄弟の人数で割りましたから」
A子さん夫婦は、兄弟たちに請求書を渡しました。
A子さんの思い切った行動が、夫との関係を修復し、お姑さんにとっても良い結果になりました。
何もしない口だけの夫には、時にはガツンと言ってやるのもいいかもしれませんね。
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