ノネコとノラネコは違います。
ノラネコが人から助けてもらいつつ野良で生きているのに対して、
ノネコは完全に自分たちで生活圏を構成しています。
食事なども自分たちでまかなっているので、野生に近い猫と言えるでしょう。
ノネコは元々人に飼われていた猫でしたが、無責任な飼い主に捨てられてしまい今のように野生で生きるようになっていきました。
奄美大島に生息しているノネコの数は600~1200匹だと言われています。
この数は非常に多く、他の生態系を脅かしてしまいます。
国の特別天然記念物であるアマミノクロウサギを餌としているノネコは
奄美大島で大きな問題となっているのです。
環境省が立ち上がり、ノネコを保護して引き取り手を探すor安楽死という対策を立てることになりました。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
出典: www.7midori.org
ノネコの問題は奄美大島だけのものではありません。
他にも伊豆諸島、小笠原諸島などでも同じような問題が起きています。
本来人に飼われていた猫が、無責任な飼い主によって捨てられ、
最終的にその尻ぬぐいをするのがその島の人というのは皮肉なものですね……
出典: yamashina.or.jp
伊豆諸島の御蔵島は、オオミズナギドリ世界最大の繁殖地です。
オオミズナギドリは日本のミズナギドリ科の中では最大種です。
1970年代には175万~350万羽が生息していたのですが、2012年には80万羽にその数を減少。
その原因としてノネコによる捕食が挙げられています。
他にも御蔵島特有、または希少な種類の生き物の生態系が脅かされているそうな。
2015年2月から御蔵島村と連携して、ノネコの捕獲&里親探しをしているそうです。
小笠原諸島は東京の南1000kmに位置する島々です。
小笠原村母島南崎はカツオドリやオオミズナギドリが繁殖する日本有数の場所だったのです。
しかし、2005年の春に自分より大きいカツオドリを加えているノネコがいたのです。
海鳥繁殖地がノネコによって消滅寸前だったのです。
それによりノネコの捕獲をすることに。
初めは安楽死をさせる話もありましたが、今では飼い主を探すプロジェクトが立ち上がりました。
アカガシラカラスバトは小笠原諸島のみに生息する鳥です。
推定40羽が生息していて、森の中で暮らす「幻の鳥」と言われています。
この鳥をノネコが捕食しかねない、ということでハトの繁殖期である冬の早朝と夕方、
行政と島のボランティアの人々が交代で警備を行っています。
海鳥の楽園である天売島は北海道に位置する小さな島です。
増加したノネコのせいで、その海鳥の数が減少しています。
もちろん寒さに厳しい環境のため、ノネコにとっても良い生活環境とは言えません。
2012年より対策のため、捕獲、去勢、里親を探すことを行っています。
長崎県の対馬ではツシマヤマネコが生息しています。
環境省から国内希少野生動植物種として指定されていて、ベンガルヤマネコの亜種とされています。
ツシマヤマネコは猫のエイズと言われるFIVに感染していることが確認されています。
昔は300頭ほどいましたが、今では100頭以下となりました。
今では動物園での保護や地域住民による保護が行われています。
出典: www.a3-home.com
私たちにできることは、きちんと命を扱っていることを自覚することです。
捨てないのは当然ですが、みだりに生殖活動をさせないよう去勢すること。
身元を明かすために、区別させることです。
ノネコのような被害を出さないためにも、1人1人が気を付けていきましょう。
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