「そんなの普通じゃないよ」
「普通はそうするよね」
「普通の人なら…」
私たちが日常のなかで何気なく使っている『普通』という言葉ですが、でも、『普通』って一体何なのでしょうか。
トリーチャー・コリンズ症候群(トリーチャー・コリンズしょうこうぐん、Treacher-Collins syndrome:TCS)という病気をご存知でしょうか。
10歳の男の子がかかった病気です。
頬骨の欠如等の顎顔面形態の不調和が特徴的な症状として見られる疾患で、常染色体優性先天性疾患の中でも稀有な例の一つです。
別名トリーチャー・コリンズ・フランチェスケッティ症候群(Treacher-Collins–Franceschetti syndrome)や下顎顔面異骨症ともいわれます。
平均して10,000人あたり1人の新生児に見られ、多くのケースでは遺伝子疾患が指摘されています。
この疾患により現れる症状の典型として、下に垂れ下がった目、下顎短小症、伝音難聴、頬骨の不形成、下眼瞼側面下垂、耳の奇形化または不形成が見られます。
これからご紹介するのは、奇病のために「普通の子に見えない」ある10歳の男の子の話です。
彼は、私たちが見失いがちな大切なことを、思い出させてくれます。
コメント