フランシズ・ゲビさんは、2016年12月に101才で亡くなられたのですが、近隣住民からは天才とも狂人とも呼ばれていました。
その理由は、過去20年もの間、家の掃除をしておらず、また誰にも掃除をしてもらうことも
ありませんでした。
しかし、ごみ屋敷などにはなっていなかったのです。
フランシズ・ゲビさんは、2016年12月に101才で亡くなられたのですが、近隣住民からは天才とも狂人とも呼ばれていました。
その理由は、過去20年もの間、家の掃除をしておらず、また誰にも掃除をしてもらうことも
ありませんでした。
しかし、ごみ屋敷などにはなっていなかったのです。
彼女は、一風変わった家に住んでいました。それは、自分自身で発明した、自動洗浄をする家で、1980年代、二人の子育てと家事に費やす労力と時間に我慢が出来なくなった頃から始まりました。
ある日、キッチンの壁に、べっとりついたジャムのシミを取るため、彼女はやけになって、ガーディニング用のホースで、噴水してしまいました。
少しやりすぎのようですが、この時、フランシズさんは、ある考えが浮かびました。
そして、1984年、自宅を史上初の自動洗浄する家に、造り替えたのでした。
68もの特許技術が使用され、自動で洗浄、乾燥をするのです。
一言でいえば、巨大な食洗機のようなものでした。
壁や床だけではなく、クローゼットの衣類、食器棚の食器、犬小屋(犬も含めて)も、丸ごと洗い、「洗浄サイクル」を始めるには、レインコートを着て、傘を持った彼女が、作業開始ボタンを押すことでした。
出典: www.chietoku.jp
床は壁側に傾斜し、部屋の周囲には側溝が彫ってあるのです。
天井のスプリンクラーから水が出て来て、犬も犬小屋も洗いながら、家から自動的に排水されます。
スプリンクラーから、最初に出てくる石鹸水が家全体を覆い、すすいだ後、仕上げに家全体を温風で乾かします。
一時間も経たないうちに、床や壁、トイレ、お風呂、衣類まで清潔になり、乾燥機から出したばかりのように温かくなっているのです。
家の表面は、殆どプラスティックで覆い、日用品は物干し竿にかけておきました。
ほこりを吸着しすぎると言う理由から、カーペットやカーテンはありません
でした。
フランシズさんの発明した家は、80年代に話題となり、テレビ番組で特集され、まるで博物館のように、観光客までやってくるようになりました。
障害のある人や、高齢者の生活を楽にし、家族と過ごす時間を増やすことが出来るよう、女性の家事負担を減らすことが、目標でした。
「必要のない動作をしないで済むようにして、ハンディキャップのある人や、高齢者が
自分たちで家の管理ができるようにしたかった」と、彼女は言います。
家事の負担を減らして他者に貢献したいという志の持ち主にもかかわらず、フランシズさんは、隣人からは、偏屈な人と勘違いされてしまっていました。
若い頃、いつも裸で掃除をしていたことがあったからです。
残念ながら2001年の地震で、自動洗浄造りの一部が壊れてしまい、以来、使用可能なのはキッチンのスプリンクラーだけになってしまいました。
2008年、フランシズさんは介護施設に入り、その後101才で他界。
彼女の死は殆ど誰にも知られることはありませんでしたが、彼女の発明は、今日でもアーティストの創造性を刺激し、賞賛されています。
オレゴン州、ニューバーグに住むフランシズ・ゲビさんの、奇想天外な発想は、当初近隣の人々に、あらぬ誤解を呼びました。
しかし、本来の目標は、障害のある人や、高齢者に対する優しさからの発想だったのです。
1980年代に作られたこの家、当時は大きな話題になったものの、多くの人に取り入れられることはなかったようです。
でも、こんな家があったら、本当に夢のようですね。
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