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名前は「ラッキー」しかし、生まれた瞬間からこの犬の生涯は「幸せ」とは遠くかけ離れたものだった・・・

2018/05/09 UPDATE
 
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遠い幸せ

犬の名前は「ラッキー」です。

しかし、この犬の生涯は「幸せ」とは遠くかけ離れたものでした。

その頭部は生まれつきひどく変形しており、この犬は売り物にならないと考えたブリーダーは、ラッキーを無料である家族に引き渡すことにしました。

数ヶ月後、ラッキーを引き取った家族がやはりいらないという理不尽な理由から、犬を保健所に引き渡したのです。

そして、保健所の職員もラッキーの里親を見つけるのは、困難に思われました。

生い立ち

ラッキーが生を受けたのは、犬の繁殖所。

他の子犬たちが次々と貰われていく中、ラッキーだけが繁殖所に残りました。

そして、ラッキーを飼いたいという人は、結局誰一人として現れませんでした。

どの客も見た目が良い「完璧な」子犬を欲しがったからです。

それからラッキーの現実は、とても辛く厳しいものでした。

ラッキーを引き取ってくれる人たちはいましたが、様々な事情を理由に、結局保健所に持ち込まれてしまいました。

そんな生活を繰り返すことによって、いつしかラッキーはシャイな性格になっており、新しい家族に馴染めなくなっていました。

そして、ラッキーを引き取っても、すでにその家で飼われていた2匹の猫と折り合いがつかず、結局ラッキーは裏庭に一日中繋がれ、ネグレクトされるようになりました。

それから、繋がれた木下で数ヶ月間孤独な生活を送っていました。

出会い

そして、その家族も引越しを理由に、ラッキーを保健所に引き渡したのです。

このように何度も居場所を追われ、保健所に返されてしまうラッキーは、保健所の誰もが、もうラッキーには幸せな家族を見つけることはできないと思っていました。

これが里親を見つける最後のチャンスとして、保健所の職員がラッキーの写真を、Facebookに投稿したのです。

その投稿には、ラッキーの悲しい生涯を綴った文章を添えました。

すると、1人の女性から返答があったのです。

その女性はジェイミー・ホルトさん、ラッキーに一目惚れだったそうです。

この投稿を見てすぐ、保健所に連絡を入れたジェイミーさんは、その時の様子を振り返って「保健所が家の近くにあったんです。一時的に引き取るのではなく、ラッキーの里親になりたいと申し出たんです」と語りました。

獣医からは「ラッキーの状態は、前の飼い主によるネグレクトと飼育放棄が原因で、身体的にも精神的にも優れているとは言えない」と伝えられましたが、ジェイミーさんの意思は変わりませんでした。

その当時、ラッキーの容態は深刻でした。

人工呼吸器無しでは息ができず、やせ細っていたといいます。

最終的に治療費だけで、何と8000ドル(約87万円)かかったそうです。

ラッキー

不幸だったラッキーが、これから幸せな一生を送るために、どれだけの費用がかかろうと生きるチャンスを与え、愛情を注いでやりたいと決心していたジェイミーさん。

なんとか危険な状態は脱し、寄生虫の治療も終えたラッキーは徐々に回復していきました。

そして、ジェイミーさんとも信頼関係を築いていきました。

そこでジェイミーさんは、ラッキーに新しい名前を与えることにしました。

その名も「Beaux Tox」(ボー・トックス)。

フランス語の「beaux」(ボー・美しいの意)とシワ取りに使われるボトックス注射(Botox)のふたつをもじった言葉遊びです。

さて、新しい「ママ」のもとで暮らし始めて、1年以上が経ったボー・トックスは、今までにないほど幸せになりました。

今では一緒に遊べる、2匹のゴールデン・レトリーバーの妹弟もできました。

元気に遊ぶその姿は、昔のシャイで怖がりな犬の面影は微塵も感じられません。

やっと、悲しい過去から脱出できたボー・トックス。

身体的な苦痛はもちろん、犬にとって一番悲しいことである誰にも愛してもらえない寂しさ。

そんなことを抱えて今まで生きてきたはずです。

ですが、やっと自分のことを心の底から愛してくれる、飼い主さんに巡り会えて本当に良かったですね。

これからはずっと幸せが続きますように…。

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