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オリンピック競技直前でパニックのライバル選手、それを救った村主章枝選手の神対応とは??

2018/02/20 UPDATE
 
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超厳戒態勢の空港で

フィギュアスケート男子2大会連続金メダル獲得の羽生結弦選手と、銀メダル獲得の宇野昌磨選手の活躍など、日本中が湧きに湧いている平昌冬季オリンピック。

実はかつて冬季オリンピックの大舞台でピンチに立たされた選手を救った、フィギュアスケート日本人選手がいるのです。

それは2002年に開催された、ソルトレイクシティ冬季オリンピックでの事です。

事の発端は、その前年にアメリカで起きた『9.11同時多発テロ』でした。

あの忌まわしいテロ以降、アメリカの国内便・国際便に関係なく全空港で厳戒態勢が敷かれ、より厳重な身体検査、荷物検査が実施されるようになりました。

各国のオリンピック代表選手たちも、持参したスーツケース等の中身を全部出して、チェックを受けなければならなかったのです。

私のタイツがない…!!

そんな中で、地元アメリカの女子フィギュアスケート代表、サーシャ・コーエン選手も、荷物の中身を全部出してチェックを受けましたが、何とその際に出した競技用のタイツを、うっかりそのまま空港に置き忘れてしまったのです。

しかも彼女がタイツがないのに気付いたのは競技直前…。

フィギュアスケートは冷たい氷の上で行われる競技、女子選手にとってタイツは体温を守るために必携です。

探す時間も新しく手配する時間もなく、彼女は他の選手にタイツを貸してもらえないか頼んでみるものの、自国の代表として競技を迎える直前の緊張感あふれる空気の中では、誰も彼女に返事などしてくれません。

厳しい勝負の世界、どの選手も余裕などなかったのでしょう。

絶体絶命のサーシャ・コーエン選手、どうなったのでしょうか?

そこへ、日本のあの選手が救いの手を…

しかしその中で、絶体絶命の状況に立たされた彼女に救いの手を差し伸べた選手がいました。

その選手こそ、女子フィギュアスケート日本代表の村主章枝(すぐりふみえ)選手だったのです!!

彼女は自分のタイツを脱いで、今にも泣きそうなコーエン選手に貸してあげたのです。

パニック状態になっていたコーエン選手と、その危機を救った村主選手。

共に無事競技を終え、結果が発表されます。

サーシャ・コーエン選手は4位、村主章枝選手は5位…

でも村主選手の行動は、メダルよりも立派な行動と言えるでしょう。

(ここで改ページします)

『敵に塩を送る』日本人の精神

日本では敵が苦しんでいる時に、その苦境から救って対等の立場で戦おうとする事を『敵に塩を送る』と表現します。

これは戦国時代、越後の名将・上杉謙信が、敵将・武田信玄が治める甲斐の国が海から遠く塩不足に苦しんでいる実情を知り、甲斐の国に塩を送ってその状況から救った事に由来しています。

村主さんはまさにこの上杉謙信の行いを、迷わず実行したのでしょう。

彼女たちのそれから…

当時この話は新聞などでも話題となり、テレビのバラエティ番組でコーエン選手から感謝の言葉を伝えられた村主選手は、まだタイツを返してもらっていない事に触れ、「早く返してくださいね」と冗談まじりに笑いながら語っていました。

余談ですが、実はコーエン選手は他の大会でもタイツを忘れた事があり、その時タイツを貸してあげた選手は、4年後のトリノ冬季オリンピックで金メダルを獲得した、あの荒川静香さんなのです。

そのトリノ大会でサーシャ・コーエン選手は銀メダル、村主章枝選手はメダルまであと一歩の4位でした。

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