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12年前、サンフランシスコで出会った浮浪者との奇跡の再会とは??

2018/01/11 UPDATE
 
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出会い

私が昔、サンフランシスコで学生やってた時の話です。

当時、私は、住み込みでホテルの朝晩の厨房の手伝いをしていました。

1カ月の家賃が300ドル位になってお得でした。

しかも、そのホテルの食事は、アメリカンなビュッフェスタイルで大量生産していたので、毎日、大量の残飯が発生していました。

そこで、私は、その残飯を使い捨てのパックに詰めて、こっそり浮浪者のオジサンに分け与えていました。

なぜかというと、私の周りは留学生ばかりだったので、ネイティブの話し相手が欲しかったからでした。

そのおじさんの名前はアビーといい、年のころは、当時、40代前半で元金融会社に勤めていたそうです。

別れ

ある日の晩、私は、とんでもない事件に巻き込まれてしまったのでした。

日本人仲間の送別会があり、その会で飲みすぎてしまった私は、千鳥足でふらふらとホテルに戻っていました。

その帰り道に強盗に遭遇してしまったのでした。

二人組の白人のヒゲづらのおっさんに絡まれ、羽交い締めにされてしまいました。

殴られ蹴られた後、身ぐるみ全部剥がされたうえ、車と車の間に捨てられました。

私は、虫の息でした。

歯は前四本折れ、鼻も折られて、顔面は、おいわさん状態でした。

肋骨にもヒビが入り、太ももも刃物で刺され貫通していて、手の指は全部逆に折られていたのでした。

警察の話だと、キャッシュカードの番号を聞きだそうと、拷問されたんじゃないかということでした。

結局、犯人は捕まらず、泣き寝入りするしかありませんでした。

こんなにひどい目に遭ったアメリカの恐すぎる体験でした。

それから約半年間、入院することになりました。

退院後、この事件とビザの関係もあり、流石に帰国することにしました。

いよいよ帰国の時、最後に仲良かった人たちに別れを告げる機会がありました。

浮浪者のおじさんアビーには怪我した理由などは言わずに、最後はジャックインザボックスというバーガー屋で一緒に飯を食べました。

その時、アビーに「お前は良い奴だから良いこと有るよ。グッドラック」と言われたことは忘れられません。

再会

日本に帰国してから12年後の一昨年のこと、私は営業の仕事をしていました。

仕事の関係である機械部品の売り込みのため、出張でサンフランシスコを経由することになりました。

過去の悲惨な記憶がよみがえり、流石に私はビビッていましたけど、アビーに会えるんじゃないかという別の期待もしていました。

ですが、サンフランシスコには浮浪者が溢れていてそんな上手いこと出会えるわけもなく、まあ、こんなもんだとあきらめていました。

翌日、上司と近くの町サニーベールに向かい、取引先に訪問しました。

取引先の担当者と顔合わせをしたときお互いに「あれ?」という不思議な表情になったのです。

ポカーンみたいな時間が止まったような間があったので。上司も私と取引先担当者の微妙な空気を不思議に思って「もしかして知り合い?君、昔サンフランシスコに居たんだよね?」と尋ねられたのをきっかけに思わず、

私「アビー?」

そう聞くと、
担当者は、「オーマイガーオーマイガーオーマイガー!」
と泣きだし抱き着いてきたのです。

アビー「やはりお前だったか!
オーマイガーオーマイガーオーマイガー!
お前だけだった、
俺をあの時人として扱ってくれたのは!
死にそうだったお前を見たとき俺は。。。!
お前が居なくなってまた一人ぼっちになってしまったけど、
このままじゃいけないと思って俺はここまで頑張ってきたんだ!」
と二人で号泣していたため、私の上司は訳が分からず呆気に取られていました。

当時、アビーは私には何も言わなかったが、ぼろ雑巾のようになった私を見つけ救急車を呼んでくれたのは、アビーだったのでした。
病院でも警察でも誰が救急車を呼んでくれたのか把握できなくて、謎だったが、その時真実がやっと解ったのです。

私は思わず、「アイラーーービューーー!」と叫んでしまい、もう商談どころの騒ぎではなくなってしまいました。

そのあとは上司とともにアビーの自宅に招待され、奥さんと奥さんの連れ子の娘さんの大歓迎を受けたのでした。

その後も出張のときに半年周期で会って交流してます。
奥さんの連れ子の娘さんが超可愛い短大生だったので、
「アビー、嫁にくれwww」と言ったら、
「おおお、俺は良いと思うぞ!」
と娘に無断で連絡先を教えてくれたのでした。

始めは彼氏が居るからと乗り気じゃなかった娘さんでしたが、今は別れて彼氏が居ないらしいのです。

今度の夏にアビー親子が日本に遊びに来ることになったのでこの娘さんを落としたると気合い入れてます。

アビーは俺のことを誰かに紹介するとき、「俺の息子だ!」と紹介してくれます。

私は、実の父の顔も知らないから娘さんのことは抜きにしてもアビーのことを私の父親同然に思ってます。

というおじさんと私の愛の思い出話でした。

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