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【思わず冷や汗】猛暑も吹き飛ぶゾッとする話を集めてみました【R−6】

ビックリするとビタミンが減るらしい。
2016/07/25 UPDATE
 
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自分は今、一体何を見たの?

そんな怖い話満載です!

新聞配達をしている時に体験したゾッとする話

さっき、新聞配ってるオッサン見て久々に思い出したから投下する。

俺が学生時代の話なんだけど、いわゆる新聞奨学生をやってたんだ。学校行きながら朝早く起きて(3時~5時ぐらい)新聞配るのって意外にきつくて、始まって1ヶ月で軽くネをあげてたw

それで新聞配達って、まぁやった事ある人は分かると思うけど不着(ふちゃく。到着しないこと)っていうのがあってさ、要は配り忘れなんだけど、新人の俺はけっこう不着してたんだ。

だけどその中の一つ、田口(名前忘れたから田口で)さんっていう一軒家だけは何度やっても不着になる。

表札確認してるし、間違いは無いはずなんだけどなぁって納得いかなかった俺は、ある日、確かめるためにその家に新聞入れたら携帯で写メる事にした。

田口さん家のポストはドアに直接付いてるいわゆるドアポストという奴。角度的に全部は入らないので、三分の一くらいははみ出ている感じ。

とりあえず写メり、証拠を手に入れたのでまた配達に戻ろうとしてたら、はみ出てた新聞が中に引っ張られた。

正直な話、はみ出てたから誰かが盗んでたのかもしれないと思ってた俺は、それを見て安心して、配達を終わらせた後、支店に戻った。


26:本当にあった怖い名無し[]投稿日:2012/06/14(木)06:58:45.37ID:wSYdmN7bO
その日はいつもより早く終わったため、時刻は5時手前。支店には2つ上の先輩だけだったのでジュース飲みながら談笑。

そんで話は、俺の不着の話になり「今回は写メ取ったから大丈夫ですよ」と、先輩に写メを見せる。そしたらいきなり先輩が笑い始めた。正直意味が分からない。

「何で笑うんすか?」

「いや、お前が不着すんのも無理ねぇわ。お前が入れたの確かに田口さんだけど、その隣にも田口さんあんだよな」

先輩いわく、田口さんちは珍しい事に同じ名字の家が二軒並びになっているらしい。

「マジすか?じゃあ俺が入れてた田口さん2週間分得っすね~」

「いやそれはねぇよ。あそこんち一年ぐらい前から空き家で、誰も住んでねーから」

「え?でも今日中から新聞引っ張られたんすけど・・・。」

俺の返答に先輩は驚いたらしく、2人で確かめに行こうと、空き家に向かうことになった。空き家はカギがかかっていて、早朝に迷惑ながらもチャイムを鳴らしたが誰もいない。


29:本当にあった怖い名無し[]投稿日:2012/06/14(木)07:06:13.54ID:wSYdmN7bO
もしかしたらドロボーかもしれないと先輩は警察に連絡。

しばらくして警察が来て、事情を説明すると、窓など人が入れそうな所を調べ始めた。結局、全部カギが掛かっていたためドロボーの線は薄いという結果だったが、後日念のためカギを開けて調べてくれることに。

そして後日、ここからは警察に聴いた話だが、中はとくに荒らされた様子もなく、窓にもしっかりとカギが掛かっていて、ドロボーはまずないとのこと。

ただ玄関には俺が入れた新聞が散らばっていたらしい。そして最後に警官が気になる事を言っていた。

「ん~でもおかしいんですよね~。この家のポストってマンションみたいに中に受け皿があるんですが、新聞は玄関の床に直接散らばっていたんですよ。」

受け皿に入りきらないで溢れたとしても、何部かは必ず受け皿に残る。ただ警官の話では全てが床に散乱していたらしい。

そもそものあのポストは中から引っ張らない限り絶対に入らない。誰かが毎日中から引っ張らなければ新聞は入らなくなっていたはずだ。

結局、勘違いという事でその話は終わった。一応しばらく警官が巡回警備してたらしいが、人がいる気配はなかったらしい。

今もその家があるかどうか分からないけど、あの日、中から新聞を引っ張ったのは何だったのかと思うとゾッとする。
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どう考えても普通じゃない人間の行動

私には霊感がありません。ですから、幽霊の姿を見たことはないし、声を聞いたこともありません。

それでも、ものすごく怖い思いをたった一度だけ、中学生の時に体験しました。その話を聞いていただきたいと思います。

14歳のころ、父を亡くした私は、母の実家に引っ越すことになりました。母方の祖父はとうに亡くなっていたので、祖母、母、私と、女3人だけの暮らしとなります。

私は、親が死んだショックから立ち直れないまま、新しい環境に早急に馴染まなくてはいけませんでした。不安はあったのですが、私の身の上に同情してか、転校先の級友も優しく接してくれました。

特にS子という女の子は、転校してきたばかりの私に大変親切にしてくれ、教科書を見せてくれたり、話相手になってくれたりしました。

彼女と親友になった私は、自然に周囲に心を開いてゆき、2ヶ月もたつころには、みんなでふざけあったり、楽しく笑いあったりもできるようになりました。


413:かおる:02/02/07 00:38
さてそのクラスには、F美という、可愛らしい女の子がいました。私は彼女に何となく心惹かれていました。

もちろん変な意味ではなく、女の子が見ても可愛いなと思えるような、小柄できゃしゃな感じの子だったので、同性として好意を持っていたのです。

(私はちょっと地黒で背も高いので、今考えると、多少の羨望もおそらくあったのだと思います)

好かれようとしていると効果はあるもので、席替えで同じ班になったことから、だんだん話すようになり、彼女が母子家庭であることがわかって、余計に親しくするようになりました。

もっともF美の場合は、死に別れたのではなくて、父親が別の女性と逃げたとか、そういうことだったように聞きました。

彼女も女だけで生活しているということを知ったとき、この子と友達になってよかったな、と心底思いました。ただそれも、彼女の家に遊びにいくまでの短い間でしたが・・・。


414:かおる:02/02/07 00:41
その日、私がなぜF美の家を訪ねることになったのか、私は覚えていません。

ずいぶん昔の話だからというのもありますが、それよりも、彼女の家で見たものがあまりに強い印象を残したので、そういったささいなことがあやふやになっているのでしょう。

その時S子もいました。それまでも、S子はF美のことをあまり好いておらず、私が彼女と仲良くすることを好ましくは思っていないようでした。

それなのに何で彼女がついて来たのか、私には思い出せません。しかしとにかく、学校の帰り、家が全然別の方向なのにもかかわらず、私とS子は何かの用事でF美の家に寄ったのでした。


415:かおる:02/02/07 00:43
彼女の家は、正直古さの目立つ平屋で、木造の壁板は反り返り、庭はほとんどなく、隣家との間が50センチもないような狭苦しい場所にありました。

私はちょっと驚きましたが、おばあちゃんの家も年季は入っていますし、家計が苦しいのはしょうがないだろう、と思って自分を恥ずかしく思いました。

「おかあさん」

F美が呼ぶと、少しシワは目立つものの、奥からにこやかな顔をしたキレイなおばさんが出てきて、私とS子に、こちらが恐縮するほどの、深々としたおじぎをしました。

洗濯物をとりこんでいたらしく、手にタオルや下着を下げていました。


416:かおる:02/02/07 00:45

「お飲み物もっていってあげる」

ずいぶんと楽しそうに言うのは、家に遊びに来る娘の友達が少ないからかもしれない、と私は思いました。実際、F美も「家にはあんまり人は呼ばない」と言ってましたから。

もしF美の部屋があんまり女の子らしくなくても驚くまい、と私は自分に命じました。そんなことで優越感を持ってしまうのは嫌だったからです。

しかし、彼女の部屋の戸が開いたとき、目にとびこんできたのは、予想もつかないものでした。


417:かおる:02/02/07 00:46
F美がきれいだということはお話ししましたが、そのぶんやはりお洒落には気を使っているということです。

明るい色のカーテンが下がり、机の上にぬいぐるみが座っているなど、予想以上に女の子らしい部屋でした。

たった一点を除いては。部屋の隅に立っていて、こっちを見ていたもの。

マネキン。

それは間違いなく男のマネキンでした。その姿は今でも忘れられません。両手を曲げて縮め、Wのかたちにして、こちらをまっすぐ見つめているようでした。

マネキンの例にもれず、顔はとても整っているのですが、そのぶんだけその視線がよけい生気のない、うつろなものに見えました。


418:かおる:02/02/07 00:48
マネキンは真っ赤なトレーナーを着、帽子を被っていました。不謹慎ですが、さっき見たおばさんが身につけていたものよりよほど上等なもののように思えました。

「これ・・・」

S子と私は唖然としてF美を見ましたが、彼女は別段意外なふうでもなく、マネキンに近寄ると、帽子の角度をちょっと触って調節しました。その手つきを見ていて私は、鳥肌が立ちました。

「かっこいいでしょう」

F美が言いましたが、何だか抑揚のない口調でした。その大して嬉しそうでもない言い方がよけいにぞっと感じました。


419:かおる:02/02/07 00:50

「ようこそいらっしゃい」

といいながら、トレーにケーキと紅茶を乗せたおばさんが入ってきて、空気が救われた感じになりました。

私と同じく場をもてあましていたのでしょう、S子が手を伸ばし、お皿を座卓の上に並べました。

私も手伝おうとしたのですが、お皿が全部で4つありました。あれ、おばさんも食べるのかな、と思い、ふと手が止まりました。

その時、おばさんがケーキと紅茶のお皿を取ると、にこにこと笑ったままF美の机の上におきました。

それはマネキンのすぐそばでした。


420:かおる:02/02/07 00:53
とんでもないところに来た、と私は思いました。服の中を、自分ではっきりそれとわかる、冷たい汗が流れ続け、止まりませんでした。

F美はじっと、マネキンのそばに置かれた紅茶の方を凝視していました。こちらからは彼女の髪の毛しか見えません。

しかし、突然前を向いて、何事もなかったかのようにフォークでケーキをつつき、お砂糖つぼを私たちに回してきました。

私はよほどマネキンについて聞こうと思いました。彼女たちはあれを人間扱いしているようです。

しかもケーキを出したり、服を着せたりと上等な扱いようです。ですが、F美もおばさんも、マネキンに話しかけたりはしていません。

彼女たちはあれを何だと思っているのだろう?と考えました。マネキンの扱いでは断じてありません。

しかし、完全に人だと思って、思い込んでいるのだとしたら、「彼」とか「あの人」とか呼んで、私たちに説明するとかしそうなものです。でもそうはしない。

その、どっちともとれない中途半端な感じが、ひどく私を不快にさせました。私がマネキンのことについて尋ねたら、F美は何と答えるだろう。

どういう返事が返ってきても、私は叫びだしてしまいそうな予感がしました。


421:かおる:02/02/07 00:54
どう考えても普通じゃない。

何か話題を探しました。部屋の隅に鳥カゴがありました。マネキンのこと以外なら何でもいい。普通の、学校で見るようなF美を見れさえすれば、安心できるような気がしました。

「トリ、飼ってるの?」

「いなくなっちゃった」

「そう・・・かわいそうね」

「いらなくなったから」

まるで無機質な言い方でした。飼っていた鳥に対する愛着などみじんも感じられない。

もう出たい、と思いました。帰りたい、帰りたい。ここはやばい。長くいたらおかしくなってしまう。その時

「トイレどこかな?」

とS子が立ち上がりました。

「廊下の向こう、外でてすぐ」

とF美が答えると、S子はそそくさと出ていってしまいました。そのとき正直、私は彼女を呪いました。

私はずっと下を向いたままでした。もう、たとえ何を話しても、F美と意思の疎通は無理だろう、ということを確信していました。

パタパタと足音がするまで、とても長い時間が過ぎたように思いましたが、実際にはほんの数分だったでしょう。S子が顔を出して

「ごめん、帰ろう」

と私に言いました。S子の顔は青ざめていました。F美の方には絶対に目を向けようとしないのでした。

「そう、おかえりなさい」とF美は言いました。そのズレた言い方に卒倒しそうでした。


422:かおる:02/02/07 00:56
S子が私の手をぐいぐい引っ張って外に連れ出そうとします。

私はそれでもまだ、形だけでもおばさんにおいとまを言っておくべきだと思っていました。

顔を合わせる勇気はありませんでしたが、奥に声をかけようとしたのです。F美の部屋の向こうにあるふすまが、20センチほど開いていました。

「すいません失礼します」

よく声が出たものです。その時、隙間から手が伸びてきて、ピシャッ!といきおいよくふすまが閉じられました。私たちは逃げるようにF美の家を出ていきました。

帰り道、私たちは夢中で自転車をこぎ続けました。

S子が終始私の前を走り、1メートルでも遠くへいきたい、とでもいうかのように、何も喋らないまま、自分たちのいつもの帰り道まで戻っていきました。

やっと安心できると思える場所につくと、私たちは飲み物を買って、一心不乱にのどの渇きをいやしました。

「もう付き合うのはやめろ」とS子が言いました。それは言われるまでもないことでした。

「あの家、やばい。F美もやばい。でもおばさんがおかしい。あれは完全に・・・」

「おばさん?」

トイレに行った時のことをS子は話しました。


423:かおる:02/02/07 00:57
S子がF美の部屋を出たとき、隣のふすまは開いていました。彼女は何気なしに通りすぎようとして、その部屋の中を見てしまったそうです。

マネキンの腕。腕が、畳の上に4本も5本もごろごろ転がっていたそうです。そして、かたわらで座布団に座ったおばさんが、その腕の一本を、狂ったようにナメていたのです。

S子は震えながら用を足し、帰りにおそるおそるふすまの前を通りました。チラと目をやると、こちらをじっと凝視しているおばさんと目が合ってしまいました。

つい先ほどの笑顔はそのかけらもなくて、目が完全にすわっています。マネキンの腕があったところには、たたんだ洗濯物が積まれてありました。

その中に、男もののパンツが混じっていました。

「マ、マネキンは・・・?」

S子はついそう言って、しまったと思ったのですが、おばさんは何も言わないまま、S子に向かって、またにっこりと笑顔を見せたのでした。彼女が慌てて私を連れ出したのはその直後のことでした。


424:かおる:02/02/07 00:59
あまりにも不気味だったので、私たちはF美が喋って来ない限り、彼女とは話をしなくなりました。

そして、だんだん疎遠になっていきました。この話をみんなに広めようか、と考えたのですが、とうてい信じてくれるとは思えません。

F美と親しい子にこの話をしても、はた目からは、私たちが彼女を孤立させようとしているとしか思われないに決まっています。

特にS子がF美とあんまり仲がよくなかったことはみんな知っていますから・・・。

F美の家にいったという子にこっそり話を聞いてみました。でも一様におかしなものは見ていない、と言います。

だから余計に、私たちに状況は不利だったのです。ただ一人だけ、これは男の子ですが、そういえば妙な体験をした、という子がいました。

F美の家に言ってベルを押したが、誰も出てこない。あらかじめ連絡してあるはずなのに・・・と困ったが、とにかく待つことにした。

もしかして奥にいて聞こえないのか、と思って戸に手をかけたら、ガラガラと開く。そこで彼は中を覗き込んだ。

ふすまが開いていて(S子が見た部屋がどうかはわかりません)、部屋の様子が見えた。浴衣を着た男の背中が見えた。向こうに向いてあぐらをかいている。

音声は聞こえないが、テレビでもついているのだろう。背中に、ブラウン管かららしい青い光がさして、ときおり点滅している。

だが何度呼びかけても、男は振り返りもしないどころか、身動き一つしない・・・。気味が悪くなったので、そのまま家に帰った。

F美の家に男はいないはずです。たとえ親戚や、おばさんの知り合いであったところで、テレビに背中をむけてじっと何をしていたのでしょう?

それとも、男のパンツは彼のだったのでしょうか。もしかしてそれはマネキンではないか、と私は思いました。

しかし、あぐらをかいているマネキンなどいったいあるものでしょうか。もしあったとすれば、F美の部屋にあったのとは別のものだということになります。

あの家にはもっと他に何体もマネキンがある・・・?私はこれ以上考えるのはやめにしました。

あれから14年がたったので、今では少し冷静に振り返ることができます。私はときおり、地元とはまったく関係ない所でこの話をします。

いったいあれが何だったのかは正直今でもわかりません。

もしF美たちがあれを内緒にしておきたかったとして、仲の良かった私だけならまだしも、なぜS子にも見せたのか、どう考えても納得のいく答が出ないように思うのです。

そういえば、腕をWの形にしているマネキンも見たことがありません。それでは服は着せられないではないですか。

しかしあの赤い服は、マネキンの身体にピッタリと合っていました。まるで自分で着たとでもいうふうに・・・

これが私の体験のすべてです。


425:かおる:02/02/07 01:02
慣れてなくて、切れ目が多くなってしまいました。ごめんなさい。

あのマネキンの家がどうなったかは私も知りません。母親が再婚して別の家に移ってしまったので・・・

心霊話じゃなくて、あんまり恐くないかもしれませんけど、あの時ほど恐くなったことはありませんでした。

彼女が白血病になった

20代前半で地方から上京して仕事をしていた時、間もなくして、同僚の女性と仲良くなった。これは、その子との話。名前は仮にK子。

明るい子で、実家が大富豪だったが、社会勉強も兼ねて職に就いたらしい。何度かデートをするうちに親密になり、運命の女性にすら思えた。まだお互いの親には面識がなかったが、将来の結婚も約束していた。

しかし、そんな幸せな日々も長くは続かず、交際から半年後、K子は白血病で入院することになった。

俺は毎日病院に足を運んだ。病状はかなり深刻らしく、休憩所でK子の母親が泣いている光景も、何度となく目にしていた。

ある日、いつものように病室に二人でいると、K子が「もうお見舞いにこないで」と言った。

驚いたが、細かく話を聞いてみると、これから先は髪も全て抜け落ちるだろうし、ミイラのように痩せ細り醜く変貌する。そんな姿を俺には見られたくないし、綺麗なまま、ずっと覚えていてほしい。そんな内容だった。

しばくの言い合いの後に、分かった。と返事をした。正直、俺もK子のそんな姿を見たくなかったのかも知れない。

何より、愛した人が刻々と死に向かう有り様を、黙って見ているしかない現状に耐えられなかった。完全なノイローゼだった。


442:2[sage]投稿日:2009/09/09(水)07:59:08ID:e09YeYTQO
しばらくして、仕事を辞めて、逃げるように引っ越した。

苦痛から解放されるためにK子のことを忘れてしまいたかったが、内心、恋しくて胸が張り裂けそうだった。それから数ヶ月経った、ある晩の出来事。

俺は何かの気配を感じて、真夜中に、ふと目を覚ました。誰かがいる。生きた人間じゃない。

俺は目を閉じたまま、身動きひとつ取れずにいた。するとその何者かは、ゴソゴソと布団をまさぐった後に、俺の手を握ってきた。K子だ。

手を握られた瞬間に思った。その手のひらは、氷のように冷たく、枯れ木のように痩せ細っていた。

俺は目をあけて、K子を抱きしめようと思った。しかしK子と話した最後の会話が脳裏をよぎる。

醜く変貌した自分を見られたくない。綺麗なまま覚えていてほしい。それが彼女の最後の意志だった。

俺は、閉じてある目を、さらにぐっと閉じながら彼女を抱きしめた。そして彼女の手を握ったまま眠った。


444:3[sage]投稿日:2009/09/09(水)08:02:44ID:e09YeYTQO
彼女の霊は定期的に現れた。深夜、目が覚める時は、つまり彼女が来た時だった。

そしていつも俺の手を握った。俺も目を閉じたまま、冷たく痩せ細った手を握り返し、時には抱きしめた。

俺が起きている時は決して現れない。やはり自分の姿を見られたくないのだろう。

数年経っても、まだK子の霊は現れ続けていた。それゆえ、俺は恋人も作らず、人間関係も薄く、周りからは暗い奴と遠ざけられる存在になっていた。

ある日、電車でK子と出会った街を通る機会があった。辛くて逃げ出した街。しかし数年ぶりに見ると妙になつかしくなり、思い切って電車から降りてみた。

しばらく街を徘徊。K子とよく訪れた公園の前を通りかかった時、K子の母親が、大きな犬を連れて、前方から歩いてきていることに気付いた。

俺は即座に自分の顔を手で隠した。K子の死に目にも会わずに逃げ出した男だ。恨まれているに違いない。そう思った。

俺はうつむき加減に歩いた。あと少しですれ違う。そのくらいの距離になって、K子の母親は俺に気付いてしまった。

「あら、久しぶりじゃないの」

「あ、はい…」

ぼそりと返事をした。そして続ける。

「あの、すみませんでした」

俺のその言葉から、会話の内容は彼女の思い出話になった。俺とK子の母親は公園のベンチに座って、K子の思い出を語り合った。

どのくらい話していただろう、K子の母親は俺のことを恨んでいる様子もなく、犬をなでながら色んな話を聞かせてくれた。

「あの、K子のお墓はどこにあるんですか?今度お墓参りに行かせてください」

俺がそう言うと、K子の母親は怪訝な表情を浮かべた。

「K子、まだ生きてるわよ」

俺は一瞬固まった。

K子は完治して退院。そして数年前に恋愛結婚、子供もいるらしい。その事実を知って以来、俺は眠れなくなり、今では重度の不眠症だ。

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山奥で見つけた行方不明の張り紙が怖い…

今から5.6年前の話。

夏休みなどを使って毎年遊びに訪れていた祖父の家は宮崎県の山中にありました。目的は主に川遊びで、モリ突きや釣りなどをして楽しんでいました。

夏といえど、1時間程川に入っていると体が冷えてくるので、川べりの岩の上で休憩をはさみつつ、モリ突きで遊んでいた時のことです。

あまり人も来ないような場所だったのですが、気付けば200m程上流に二人の子供(遠目でしたが多分小学生くらい)がいました。

村の小学校は廃校になっているような所だったので、この村にもあんな小さい子がいるんだなぁ、と思いつつ眺めていました。

程なくして彼らは川を上って行きましたが、私がモリ突きをしていた場所はその川でもかなり上流の方で、来る時も車で山を登ってきたほどでした。

親御さんとかが上にいるのかな、と考えながら私も帰り支度を始めました。荷物を置いてある木陰で着替え等していると、一本の木に少し古ぼけた張り紙がありました。

張り紙には写真がプリントされており、ラミネートしてありました。写真は母と思われる女性と子供が二人並んでいる写真。その下には「この子達を探しています」と1行あるのみ。

その張り紙を見て気味が悪いと思ったのは写真のせいでした。

写真の女性の顔の部分はマジックか何かで黒く塗りつぶされており、子供二人の顔はヤスリをかけたように薄くボケていました。

かすかに確認できる子供の髪型が先ほど見かけた子供と同じ坊主頭で、よけいに気味が悪く感じてしまいました。

急ぎ足で祖父の家まで帰り、祖父に張り紙の事を聞いてみましたが何も知らないとのこと。小さな村なので子供がらいなくなったりしたら耳に入るはずなのですが。

その張り紙を見た年の翌年、少し遅めの正月のあいさつをしに祖父の家を訪れました。酒を交わしながら祖父と話していると、例の張り紙の話になりました。

「お前が言うてた張り紙みたいなん見つけたんで、取っておいたで」

と言われ一枚の張り紙を差し出してきました。

なんで取っておく必要あるのか、とは思いましたが好奇心があったのも事実だったので、また見てみようと受け取りました。

ひと目見て前回見た張り紙との変化に気付きました。「この子達を探しています」と書いてあるの文字の上から赤字で「見つかりました」と上書きされていました。

あまりの気味の悪さに張り紙は知り合いの寺の方に無理を言って預けてきました。これを一人で取ってきた祖父の鋼の精神力にも恐ろしさを感じましたが。

イタズラにしては、あんなひと気のない場所でする必要はありませんし、かといって本当に人捜しだとしても、山奥の一本の木に張り紙をする必要もないと思います。

これといって実害などはありませんでしたが、あれは何だったのか今でもたまに思い出しては鳥肌が立ちます

「そろそろお母さん帰ってくるかもね?」「…かえってこないよ?」

昨日体験した話。

朝起きて家の前でタバコふかしてると、隣に住んでるAさんに声をかけられた。

「○○ちゃん(私の名前)頼みたい事があるんだけど…ちょっとみさき(Aさんの娘さん、小1)の事、見てやってくれないかしら?」

「別にいいですけど…どうしたんですか?」

「あたしの母さんが倒れて、病院に運ばれたのよ…たいした事無いらしいけど、みさきに教えるとうるさいから…」

「あー、みさきちゃんおばあちゃんっ子ですもんねー」

なんて会話をして、Aさんは病院に向かった。

4時頃には帰ると言っていたので、その間Aさんの家でみさきちゃんと遊ぶ事にした。みさきちゃんは本を片手に、嬉しそうに私に話しかけてきた。

「あんねー、これがみさきがもってるなかでいちばんこわい本なの!」

手渡された本は、著作権侵害だか何だかでオカ板で話題になったあの本…Aさん、2ちゃんねらーだったのか…ていうか子供に見せるなよ、とか思いつつもみさきちゃんの相手をしていた。

昼食を食べ、みさきちゃんの怖い話に耳を傾けているうちに、3時になった。

「あ、3時だ…そろそろお母さん帰ってくるかもね?」

私がみさきちゃんにそう言うと、彼女はなんともいえないくらい素っ頓狂な声で呟いた。

「…かえってこないよ?」

「…なんで帰ってこないって思うの?」

「だって、おかあさんおばあちゃんのところにいったんでしょ?」

…なんで知ってるんだろう、と一瞬ゾッとしたが、朝の電話の話を聞いていたんだろう、と思った。


775:本当にあった怖い名無し:05/01/1100:55:34ID:VOCdr4vl

「なんだ、知ってたのか~…でも、大丈夫、4時頃には帰ってくるって言ってたから。」

「でもおばあちゃんしんじゃったもん、かえってこれないよ?おねえちゃんもおかあさんがかえってくるまでかえれないね~」

そう言ってみさきちゃんは楽しそうに笑ったが私は笑えなかった。私は意を決して聞いてみた。

「どうしておばあちゃんが死んじゃったってわかったの?」

みさきちゃんは私の背後を覗き見るように動いた後、私に視線を戻して言った。

「おばあちゃん、おひるからずっとまどのそとにいるもん。テレビでやってたよ?くちからちをながしたひとがね、まどからのぞいててそのひとはもうしんじゃってるんだって」

…私は振り返れなかった。背後の窓から来る外の寒さが嫌に強く感じられた。結局Aさんが帰ってきたのは7時前だった。

Aさんの母…みさきちゃんのおばあちゃんは、病院で急に容態が変わってお昼頃に急死したらしい。

Aさんの感謝の言葉を背に、ドアを開け家を出ようとしたとき、みさきちゃんがこう言った。

「おばあちゃん、おねえちゃんについていかないで、みさきとあそんでよー」

みさきちゃんの視線は私の方を向いていたが、私自身には向けられていなかった。

みさきちゃんはすぐに何かを追いかけるように視線を移し、台所の方に笑いながら走っていった。

その年の冬、2年9組の男子が行方不明になる事件が起きました。

30年ほど前の話なので、解る方と解らない方がいらっしゃると思いますが「そうなんだー」程度で読んでみてください。

K県Z市、以前はK郡と呼ばれていた場所なんですが、ちょうどベビーブームだったのでしょうか。どんどん新しい学校が出来た時代です。


私も古い校舎のS野小学校より、近所に新しく建設中の、Sが丘小学校に通うのを楽しみにしていました。

Sが丘に移る前の年、最後のS野小学校での出来事です。私たち低学年は、1年と2年の間だけプレハブの校舎で授業を受けたのです。

冬場は寒かったのですが、ストーブを囲んでの授業など、今となってはいい思い出です。

そんな時代、私たちの間で流行していたのが「スカートめくり」と「女子トイレのぞき」です。男子は誰もがやっていたと言えるほどでした。

スカートめくりは別にいいんですけど、トイレをのぞかれるのって、当時先生たちの間でも問題になり、厳罰というほどではありませんが、親を呼び出して注意されるくらい厳しかったと記憶しています。

そんな流行が、だんだんと収まりかけてきた2年の冬・・・2年9組の男子が行方不明になる事件が起きました。

それと同時期に、再び女子トイレがのぞかれるといった事件が多発し、先生による巡回、過去にのぞきをした男子生徒への再三の警告。

それでものぞきが減らなかったため、学校側はついにプレハブのトイレの全面使用禁止を打ち出しました。


376:本当にあった怖い名無し:2005/04/04(月)17:18:34ID:tBEnlPXv0
二ヵ月後、バキュームカーって言うんでしょうか?汲み取りの業者が、子供の遺体を発見しました。

その間、生徒たちの間ではのぞきの犯人は行方不明の男子だとか、使用禁止のプレハブのトイレを使っての肝試しとか、冗談のような遊びが一時期流行ったんですけど、遺体が見つかった時は大変な騒ぎで学校中がパニックでした。

翌春、私たち同級生の半数は新しい学校に移りました。中学生になり、再び前のS野小学校の仲間とめぐり合うまでは、事件のことも忘れかけていたんですけど・・・

中1の時、そのことが話題になって、S野小学校を卒業した友達が言ってました。

S野小学校の卒業写真(クラスの集合写真)は撮影日が2回あったって言うんです。もしかしたら、最初の写真に何か問題があったんじゃないかって。

その証拠に、卒業アルバムの別の写真(授業中の風景)には、明らかに小6とは思えない、小さな子が写っていました。

消防士の人が体験したすごい話

一時期、消防士として勤めていた時期があった。もうさすがに時効だろうから久しぶりに書いてみようと思う。

俺が初めて救急車に乗ったのは、消防士になって2年目の夏、蒸し暑い夜だった。


救急の人が、たまたま事故にあって補充隊員として新人の部類だった俺が、救急車で補助にまわることになった。

救急隊というのは3人1組なんだけど、機関員、っていう運転手と、かなりベテランの隊長さん、それに俺、って組み合わせだった。

ある程度の講習は受けていたから、止血や機材の準備とかを手伝った。


802:本当にあった怖い名無し:2005/04/10(日)17:36:34ID:ih+u9Txk0
夜中の2時をまわったころだった。

仮眠してた俺をベテランの人が起こして外へ連れ出した。体にまとわりつくような湿気と、熱が寝起きの体にはつらかった。

なんで起こしたんだ、というようなことを言おうとすると、その瞬間、頭に響く呼び出し音がなって、救急車に飛び乗った。

現場に行ったとき、俺は胃が締めつけられるようだった。まだ高校生くらいだと思う女の子が、服もろとも切られて血だらけだった。

通報した人はもういないようで、暗い道に救急車の赤色灯だけが点って、なんだか背筋がゾッとした。周りには人どころか家も何も無い山道だったから。

ベテランの人が意識とか呼吸とかを見てて、俺が救急車からストレッチャーを出してきたとき、その女の子はいなくなってた。俺が救急車に乗っていたほんの数秒の間に。

俺は取り乱して思いっきり吐いた。なんだか、暑さと湿気で気が狂いそうだった。ベテランの人は吐いてる俺を介抱しながら、いつも通り温和な顔で

「たまにあることなんだよ、ここではね」

そういって、消防用ライトで道端にあったそれを指した。花束だった。

署に帰って、イタズラだったようだ、と報告書書いて、地元の警察に連絡した。仮眠室へ入る俺に、機関員の人がいった。

「全部、悪い夢だと思って忘れろ」

俺はその一件で消防士をやめて家業を継いだ。

今でもあの女の子はたまに夢にでてくるし、あのときのベテランの人の顔が思い出される。

多分、今も蒸し暑い夏の日に、あの場所で彼女は倒れてるんだと思う。そして、またあのベテランの人は彼女を助けに行くんだと思う。

今でも、真夜中に救急車のサイレン音を聞くと鮮明に思い出す。蒸し暑い、今日みたいな日の夜のことを。

あれからもう何年か経つけど、どんな怖い話よりもあのときベテランさんがいった言葉が強く強く残ってる。

「たまにあることなんだよ、ここではね」


803:本当にあった怖い名無し:2005/04/10(日)17:43:14ID:ih+u9Txk0
これが俺の中で死ぬ程洒落にならなかった怖い話です。

後日、そのベテランさんから手紙も来たし、何回か会ったけどあの日の出来事だけはもう話してくれない。あの機関員さんも、同じ。

全部、悪い夢だった、って思いたいです。

救急隊って、人の生死を医者と同じくらい見るところだからこういう話は結構多いと思うよ。

誰も言わないだけでね……

山でよく見かけた浮浪者

子供の頃近くの山が遊び場で、毎日のように近所の同世代の友だちと一緒にその山で遊んでた。

この山の通常ルート(小さな山なので、登山道というよりは散歩道)とは別に、獣道や藪をつっきった先には謎の廃屋があり、俺たちにしてみれば格好の遊び場だった。

小さな山だったから、俺たちは道のあるとこ無いとこ全て知り尽くしていた。山はある意味、俺たちがヒエラルキーのトップでいられる独壇場だった。

しかし俺たちにも天敵がいた。それが”けんけん婆ぁ”だ。廃屋に住み着いているらしい年取った浮浪者で、名前の通り片足がなかった。

けんけん婆ぁは俺たちに干渉してくることはなかったが、俺たちは山で遊んでいるとき、よく視界の端で捉えては気味悪がっていた。

しかし好奇心旺盛な子供にとっては格好のネタであったのも確かで、どれだけけんけん婆ぁの生態を知っているか、どれだけけんけん婆ぁに気付かれずに近づけるかが、一種のステータスになっていた。

俺の知る限りどちらかがどちらかに声をかけた、なんてことは皆無だった。

その日、俺たちはかくれんぼをすることになった。隠れることのできる範囲は山全体。

ものすごい広範囲のように聞こえるが、実はこの山でまともに隠れることのできる範囲というのはごく限られている。

どちらかというと鬼はそれら隠れることのできる場所を巡回するだけという、隠れる側としてはほとんど運次第な遊びだった。

で、俺はその「定番の隠れ場所」のひとつである廃墟に隠れることにした。廃墟の壁にはサビ付いたトタン板が立てかけてあり、俺はそのトタン板の下に隠れていた。

耳を澄ましていると「○○ちゃんみーつけた!」という声が遠くの方でしたりして、その声の方向から今鬼がどこにいるのかを推察しながらドキドキしていた。

で、鬼のいる場所が次第に近付いてきて、あっち行け!でもそろそろ次は俺かなとか思っていたとき

「けんけん婆ぁが基地ンほうに行ったぞー!!」


450:2/4:2005/06/12(日)12:28:37ID:1tlDSaoL0
という鬼の叫び声が聞こえた。

基地というのは俺の隠れている廃墟のことだ(俺たちは秘密基地と呼んでいた)

しかしこれはカマをかけて隠れている人間を燻り出す鬼の作戦かもしれないし、例え本当でも、これはけんけん婆ぁをすぐ近くで観察して英雄になれるチャンスだ。そう思って、俺はそのまま隠れ続けていたんだ。

とさっ とさっ とさっ

まさにけんけんするような足音が聞こえてきたのは、そのときだった。この時点でもう後悔しまくり。

とさっ とさっ とさっ

片足で枯葉を踏む音が、もう廃墟のすぐ前、俺から5メートルほどしか離れていない場所まで近付いている。

見つかったら殺される!そんな考えに取り付かれて、俺はもうマジビビリだった。

そこで俺はよせばいいのに、いきなり隠れ場所から飛び出して猛ダッシュで逃げるという選択肢を選んだ。

もう飛び出すやいなや、けんけん婆ぁのほうは絶対に見ないようにしながら必死で友だちの所まで逃げた。で、事情が良く分かっていないみんなを半分引きずるかたちで下山。

そこで始めて詳しい事情をみんなに説明した。でもやはり、あの恐怖は経験した本人にしか分からないわけで。

逆に友だちは、そんなに近くまでけんけん婆ぁに近付いたことをすげぇすげぇと褒め称える始末。

俺もガキだったから、すぐに乗せられて、恐怖なんて忘れて多少の誇張を交えつつ誇らしげに語りまくった(実際はけんけん婆ぁの姿は見ないまま逃げ帰ったわけだし)

でも、その話をすぐそばで聞いていたのがうちの母親。そんな危ないことは絶対にしてはだめと、めちゃくちゃ怒られた。俺号泣。

その晩、俺の母親は他の両親や近所の大人(婦人会の人たち)、それにこの山の所有者の人を集めて話し合いを開いた。

なんでも、子供の遊び場付近に浮浪者の人が寝泊りしているのは、何があるか分からないので危ない。

だからといって子供に山で遊ぶなというのは教育上良くないので、ここは浮浪者の人に出て行ってもらおうと。


451:3/4:2005/06/12(日)12:29:02ID:1tlDSaoL0
大人は山に浮浪者が住み着いているということを知らなかったらしく、皆すぐに同意。

もともと私有地の山だったので話も早く、所有者の人を先頭にぞろぞろと山に出かけていった。

でも結局会えなかったらしく、1時間もすると帰ってきた。廃墟の入り口に退去願いの張り紙だけして戻ってきたらしい。

でもここで、俺たちは訝しげな顔をした大人たちに、本当に浮浪者が居ついているのかということを質問された。子供の俺たちにとっては考えもつかなかった疑問の数々。

まず例の廃屋は屋根と壁の半分が腐り落ちている状態で、浮浪者といえど、とても人間の住める場所ではなかった。

暖を取ることはおろか、雨風すらしのげない。生活の跡らしきものも見当たらなかったらしい。それにその場所。

「獣道やヤブをつっきった先」と書いたが、途中にかなりスリリングな崖や有刺鉄線で遮られた場所があって、健常者でも辿り着くのに一苦労だ(俺たちは有刺鉄線の杭の上を上っていた)

ましてや片足の老婆が、日々行き来できる場所ではないと。また、大人は誰もけんけん婆ぁを見たことがないらしい。

特に山のふもとに住んでいる人間なら必ず目撃しているはずなのに、誰一人として見た人間がいない。

断言できるが、あの山で自給自足することなんて不可能だ。そんなこれまで考えもしなかった疑問に困惑しているとき、俺の父親が帰ってきた。話を聞いた父、すぐに

「なんだあの婆さん、まだいたのか……」

初の俺たち以外の目撃者。父が何人かに電話をかけると、近所のオッサン連中が2人ほどやってきた。

父を含め3人とも同世代の地元の人間で、子供の頃よくこの山で遊び、俺たちと同じようにけんけん婆ぁに遭遇していたらしい。

なんと”けんけん婆ぁ”という呼び名は、当時からあったようだ。懐かしそうに思い出を語る3人だったが……


452:4/4:2005/06/12(日)12:33:45ID:1tlDSaoL0
ここで山に入る前から黙りがちだった山の所有者のひとが、「実は……」と口を開いた。

彼はいわゆる地主様の家系で、彼の祖父の代には家に囲われていた妾(めかけ)さんがいたらしい。

しかしあるとき、その女性は事故か何かで片足を失った。それが原因で彼女がうとましくなった地主は、女性を家から追い出して自分の持っていた山に住まわせたらしい。

それ以降ずっと山に住んでいたらしいが、そう言えば死んだというような話も聞かない、と。

ただそれが本当だとすれば、けんけん婆ぁは軽く150歳を超えていることになってしまう。

それに例の廃屋も、もとはなんだったのか分からないが、30年ほど前は山を整備するための道具おきとして使われていて、その時点ではすでに誰も住んでいなかったと。

さっきまではしゃいでいたオッサン3人組も婦人会の人たちも、これを聞いて絶句。地主さんがぽつりと

「明日、宮司さんに頼んで御払いしてもらうわ」

という言葉で、静かにお開き。普段気丈な両親も、目に見えて沈んでいました。

それ以降、私たちはけんけん婆ぁを見ることはありませんでした。彼女が何だったのかは未だに分からず終いです。

はたして150歳を超える老怪だったのか、それとも何かの霊だったのか。ただ、未だにあの「かさっ かさっ」という足音を忘れることができません。

今でもあの山で耳を澄ますと、どこか遠くのほうかでこちらに向かって近付いてくる片足の足音が聞こえるようで、怖くてなりません。

近所の兄ちゃんによく遊んでもらっていた。半年くらいたった頃から兄ちゃんの様子がおかしくなった。

まだファミコンが出たばかりだった、俺が小学生時代の話。

近所に大学生の兄ちゃんがいた。地元の国立大に行ってて、穏やかな人だったから、うちの母ちゃんが家庭教師をお願いしたのがきっかけで仲良くなった。


そのうち、その兄ちゃんがファミコンを持ってるってことを知って、俺を含めて近所のガキ二、三人で、その人の家によく遊びに行くようになった。

まあ、今思うとガキなんか邪魔だったかもしれないけど、嫌な顔ひとつせずに、俺たちと一緒にゲームに興じてくれるような人だった。

そんな感じで半年くらいたった頃から、兄ちゃんの様子がおかしくなった。遊びに行ってもずっと電話をしてて、俺たちに構ってくれなくなった。

おかしいっていうのは、電話を掛けてるんだけど、兄ちゃんが一言も喋らなかったこと。ダイヤルを回して、受話器を耳に当てたまま一言も喋らない。

しばらくすると受話器を置き、もう一度ダイヤルを回す。ずっとその繰り返し。


489:続き:2005/08/02(火)04:46:12ID:T0Qijj1e0
そんな状態がしばらく続き、俺たちもだんだん兄ちゃんが怖くなってきたし、友達もファミコンを買ったことでそっちの家に入り浸り、兄ちゃんの家には行かなくなった。

同時期、兄ちゃんの家庭教師も終わった。向こうの方から「大学が忙しい」って連絡が来たって母ちゃんが言ってたし、俺は不思議にも思わなかった。

そうして数ヶ月が経った。

ある日、テレビに兄ちゃんが出てた。女の人を殺しちゃったんだってさ。


490:おまけ:2005/08/02(火)04:46:44ID:T0Qijj1e0
以上です。

後で知ったんだけど、兄ちゃんは当時付き合ってた女の人に振られてから、嫌がらせや、付きまといをしており、最終的にその人を殺してしまったそうだ。

もう分かると思うけど、俺たちの前でしてた電話は相手の女性への無言電話だった。

今だったらストーカーだって騒ぎになってたんだろうけどね。

次の日ニュースでその火事の報道があった。見出しが『一家心中』と書かれていた。

俺が死ぬほど怖いと思ったのは、ベタだけど母親から聞いた話。

ある日、実家の近くで火事があり、野次馬根性むき出しの姉と母が見にいったらしい。ただ、消防車が止まっていて作業してるもんだから、どこの家かはわからない。


するとその火事があるだろう近辺に住んでる母の知り合いの家族が、

「いや~、びっしょびしょ。困ったー。なぁー母さん。」

とだんなが奥さんに言いながら、家族で母の近くに来たらしい。

「大変ですねー。おうち大丈夫でした?」

と話かける母に

「どうだろうなー・・・。全部燃えたかなぁ。おい、もう泣くな!しょうがないだろ。」

と、旦那が答えながら

「あーつーい!あーつーいのー!!」

と駄々をこねてる子供にしかったそうな。

母が「ねー、あついよねー。ここまで熱が来てるからねー。でももう少しで消えるよー。」

と言うも、子供は「あつー、あつーい。」と言うので奥さんのほうが困り顔で「すみませんねー。」という風に頭を下げてきたらしい。すると旦那が、

「よし、家も燃えたろうから今日はどっかで泊まるかー。」

と陽気な声を上げて「ではではー」と駅の方へと向かっていったらしい。奥さんは終始落ち込んだ様子でうつむいてたらしい。


122:本当にあった怖い名無し[sage]投稿日:2010/07/30(金)03:44:52
家に帰ってきた母はその旦那に呆れ果てており、

「何を考えよるんやろか。自分の家も燃えよるってのに、どっかとまろーかーとか。あんだけ嬉しそうに言うたら、火事出した家族とかにも聞こえるよ。」

と言いながら、状況を俺と親父に説明してくれた。

親父は「野次馬もかわりゃせん。」と言い「火事に気をつけろよ。」と寝室へ行ったので、その話はそれで終わった。

次の日、ニュースでその火事の報道があった。見出しが『一家心中』と書かれていた。

男が、子供と妻を無理やり殺害、とアナウンサーが言っていた。その家の主は、昨日母と姉が会った、あの家族(幽霊)だった。

今までで一番衝撃的な怖さだったね。あのニュースだけは・・・。

あれ・・・お前の父さんじゃないか?

去年の夏、自分は高校生だったのですが、友人と二人で深夜2時ぐらい、親が寝ている頃に地元では結構有名な心霊スポット(森林)に行くことになりました。


自分は怖がりなので最初行くのを断りましたが、口のうまい友人に乗せられて仕方なく行くことになりました。

親にバレてはいけないので、物音を立てずに裏口から家を出ました。行くとき、かなり肩が重く感じましたが待ち合わせの時間までに間に合わないので気にしている暇などありませんでした。

友人と森林で待ち合わせると、奥へと足を踏み入れ、懐中電灯は持っていなかったので携帯の灯りを頼りに先に進んでいきました。

30分程立った頃に早く帰ろう、と友人に言ったのですが、聞く耳を持とうとしません。更に30分程立った頃、前の方からサッサッと人の足音が聞こえました。

自分はやばいと思い反射的に来た道を戻ろうとしましたが、友人が自分の襟を掴んで引き止めるのです。

離せっ!と小さく怒鳴り、前の方を見ている友人の顔を見ると、青ざめ、すごく怯えているようでした。友人の視線の先に目を向けてみると、人影があります。友人がぼそっと

「あれ・・・」

「何?」

「あれ・・・お前の父さんじゃないか?」

全身が凍り付きました。何故ここに?家からここまでは何キロもあります。家には自分が乗ってきた自転車一台しかありません。おまけに父は車を持っていません。なぜ・・?

友人も怖くなり家に帰ることにしました。まず裏口から家に入ると、父の寝室を覗きました。父は布団の中で仰向けに寝ていました。なぜ・・?

自分は今日のことは忘れようと布団の中に入り目をつむりました。

朝、目が覚めると外が騒がしいことに気付きました。救急車が来ています。父は亡くなったらしいです。

【リアルに怖い】今日めっちゃ怖いことあったんだが

2015/09/11(金)02:11:37.914ID:H05oUOP2d.net(13)follower(6)
仕事帰り信号待ちしてたら男が助手席側のドアを開けて入ってこようとしてきた。
夜遅く、車の通りも少ない所なので赤とか関係なしに逃げた。マジ怖かったわ。

2:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/09/11(金)02:12:10.845ID:X6uOW4x50.net(6)follower(1)
鍵は閉めてたの?


9:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/09/11(金)02:13:42.359ID:H05oUOP2d.net(13)follower(1)
>>2
締めてた。ロック大事だよマジで

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