大きな危険を冒して撮影された作品の数や、理想的なシーンを撮影するために身の危険を厭わない映画関係者の情熱を知ればきっと驚くことだろう。俳優も監督もスタッフも完璧なシーンのために命がけで臨んでいるのだ。ここで紹介する作品では、幸いにも命が失われるような事故は起きていないが、一方間違えればその危険性があったものばかりだ。 出典: image.dailynewsonline.jp
『ダークナイト』はバットマンシリーズの最高傑作であろう。しかも、この危険な映画ランキングにもランクインしている。クリストファー・ノーラン監督は野心的なスタントワークを考案することで有名な人物だが、本作品はその代表的なものである。 CGを使えば容易に演出できるシーンであっても、彼はそれが現実には敵わないことを知っている。そんな彼は本物のトラックをシカゴのダウンタウンで実際に横転させてしまった。スタントを無事行ってみせたのは、車を知り尽くしたベテランのスタントドライバーだ。 出典: image.dailynewsonline.jp
1991年の『ハートブルー』のリメイク作品である本作では、映画史上でも最高クラスの危険なスタントシーンを目撃することができる。中でも特筆すべきは、はるか上空からのダイブシーンだ。 一見グリーンスクリーンによる合成にも思えるが、とんでもない! 緻密に計算した上で、5名のスタントマンが飛行機からジャンプし、200km/h近い速度で実際に降下しているのだ。単独でのダイブでも非常に危険なものだが、5人によるダイブである。相手を見失えば、即座に大事故につながる危険な撮影だ。アドレナリン出まくりのこのシーンを見れば、彼らの情熱に畏敬の念を抱くことは間違いない。 出典: image.dailynewsonline.jp
サイレント時代、喜劇役者スターたちは笑いのためなら命の危険すら厭わなかった。例えば、バスター・キートンは『キートンの蒸気船』で、立っていた建物が崩壊するというスタントを行った。また『キートンの探偵学入門』では頭上から水をかぶって、首の骨を骨折し、危うく全身麻痺になるところだった。同じく喜劇スターであったハロルド・ロイドは『ロイドの要心無用』で、車が行き交う路上の上空で巨大な時計にぶら下がったり、より危険なシーンではサーカスの団員を採用して撮影を行ったりしている。 出典: image.dailynewsonline.jp
数々の危険な撮影をこなしたレオナルド・ディカプリオがランクインだ。凍てついた水の中で超時間過ごしたり、動物の死体の中で眠ったり、バイソンの生肉を食べたりと、オスカーのために大いに体を張った。だが、危険を冒したのはディカプリオだけではない。人里離れた極寒の環境では、自然光を得るために日に1、2時間しか撮影できなかった。そのテンションたるや凄まじいものだ。アレハンドロ・イニャリトゥ監督は厳しく、スタッフから大きな憎しみを買った。それは出演者のトム・ハーディが落ち着かせるためにヘッドロックを決めたほどだったという! 出典: image.dailynewsonline.jp
あまり有名な作品ではないが、イタリア南部のマフィアを題材とする実話を基にしたもので、マーティン・スコセッシが絶賛している。この映画の危険は他の作品とは少々意味合いが異なる。原作者のロベルト・サヴィアーノは作品を執筆したことにより、マフィアから殺害予告を受け、警察の保護に頼らざるをえなくなった。また出演者には本物のマフィアもおり、公開後に逮捕されている。
若い人でも名前くらいは聞いたことがあるだろうか。 有名な戦車によるレースシーンは今でも十分手に汗握ることになるだろう。このシーンは、1年の準備期間を経て、5週間かけて撮影されたものだ。馬75頭とエキストラ1,500人のほか、数え切れないスタントマンがこの危険な撮影に挑んだ。スタントマンの1人は空中に放り出されて、九死に一生を得ている。 出典: image.dailynewsonline.jp
命知らずのアクション俳優といえばシルベスター・スタローンだ! 彼が出演する危険な作品は数あれど、中でも『クリフハンガー』は心臓を限界までバクバクさせてくれること請け合いだ。その目眩がしてくるような撮影の大部分は、イタリアのトファーナで行われた。4,500mの高さを渡りきったスタントマンのサイモン・クレーンには1億円相当が支払われたという。 出典: image.dailynewsonline.jp
その撮影は公園の散歩のようなお気楽なものとは正反対だ。リアルさを演出するために、スクリーンで繰り広げられるイカれたアクションシーンの数々は、本物の車両と危険を顧みないスタントマンによって撮影されている。火を吹くギターから巨大なタンカーまで、全てがセットに実際に用意されたものだ。CG全盛のこのご時世において、出演者と撮影スタッフの血と汗と涙によって、迫真の効果が得られている。危険かつド派手でありながらも、怪我人を出さなかったスタントのまさに好例だ。 次のページへ 出典: image.dailynewsonline.jp
カースタントは登場する車の台数が増えるほどに、危険度も上昇する。『ワイルド・スピード』シリーズは迫力を維持するために、ずっと危険に挑戦してきた。シートベルトに固定された俳優が高速で走り回り、巨大な金庫を崖から落とす撮影風景を見れば、度肝を抜かれることだろう! その危険さが信じられないというのなら、出演者のポール・ウォーカーが交通事故死したことを指摘せざるを得ない。映画の撮影自体は専門家がきちんとコントロールした状況で行われていたが、そこには常にリスクがつきまとう。 出典: image.dailynewsonline.jp
ここに本シリーズを挙げるのはズルかもしれない。だが、数多いシリーズ作品の中から、たった1作品だけを選ぶのは不可能だ。『カジノ・ロワイヤル』でのパルクールを使ったオープニングのように、最近の作品の方がより先鋭化しているかもしれないが、どの作品でもジェームズ・ボンドが危険に身を投じていることは間違いない。高速で疾走する列車の上のジャンプ、カーチェイス、さらには『死ぬのは奴らだ』での本物のワニの中を飛び回るシーンなど、アドレナリン中毒の人が求める全てがそこにある。危険に挑むジェームズ・ボンドが、責任を持ってマティーニを控えているよう願わざるを得ない。 次のページへ 出典: image.dailynewsonline.jp
撮影当時、9人のスタッフが大規模な雪崩に飲み込まれ、危うく死者が出るところだった。当時史上最悪の遭難事故とされた、エベレスト登頂中に命を落とした8人の悲劇を題材にしており、シーンの幾つかは猛吹雪の中で記されたIMAX隊の手記が基になっている。皮肉なことに、2014年には、雪崩で16人のシェルパが命を落とすという作品を超える事故が起きている。興行的には成功した作品であるが、人命をそれほどの危険にさらす価値があったのかどうか問いたくなる。 出典: image.dailynewsonline.jp
1996年から続くミッション・インポッシブル・シリーズを観ると、主演のトム・クルーズには自殺願望でもあるのだろうかと疑いたくなる。飛行機の脇腹にぶら下がろうが、山の裾野を登ろうが、クルーズは危険に身を置くことに余念がない。彼は基本的にスタントを行う影武者を拒否しているため、劇場で目にする危険なシーンの姿は全て本人が演じるものである! 同シリーズは危険のハードルを上げているようで、クルーズがまだやっていない危険なスタントはあるのだろうかと思わせるほどだ。 出典: image.dailynewsonline.jp
撮影中、「危害を加えられた動物はいない」と宣伝された一方で、人間の方は大変だった。150頭を超えるライオン、トラ、ヒョウ、ジャガーによって死者が出なかったことはほとんど奇跡のようだ。出演したメラニー・グリフィスをはじめとする映画スタッフはほとんどが怪我をしており、母親役のティッピー・ヘドレンに至っては後頭部をライオンに噛まれている。しかし、最悪だったのはカメラマンの1人で、ライオンによって頭皮の皮を削がれ、120針を縫うという大怪我を負った! 怪我人の総数が70人を超える本作品は、史上最も危険な映画の名にふさわしいだろう。 出典: image.dailynewsonline.jp
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