まず一つ目ですが、「客引き行為への規制の緩さ」です。
現在の熊本県条例では「単純な客引き行為は取り締まれない」のです。
摘発できるのは、つきまとったり、腕を引っ張ったりするなど悪質な場合は県迷惑行為防止条例で、
50万円以下の罰金が科されるのだが、
他県の主要な繁華街等では「単純な客引き行為も取り締まっている」のです。
ただの客引きで高額の罰金を払うはめになったり、
大規模な取り締まりを行うことにより全国的に客引きが減ってきているのですが、
現状熊本はまだそういった規制が緩いのです。
客引きの数が多ければ多いほど、ぼったくり店に引き込む悪質客引きが比率的に増えるです。
二つ目は、「復興マネー」に目を付けて、福岡や大阪から客引きグループが熊本市に進出してきたことです。
復興関連工事等で他県から熊本に来てくれた人が多くます。
行きつけの店がないその人たちが休みや仕事終わりに飲みに来たところを悪質客引きがぼったくり店に引っ張っていくのです。
他県からきた客引きグループは少なくとも三つあり、各30人前後で構成。
人通りの多い「下通アーケード」などにスーツ姿の男やショートパンツ姿の女ら複数の客引きを配置し、
酔っぱらった男性を言葉巧みに「ガールズバー」へ連れ込み、1人数万~30万円を請求している。
出典: cdn.macaro-ni.jp
ほかの店で飲んだ後、繁華街で客引きに誘われ、1人でガールズバーに入った。
女性スタッフと酒を数杯飲み、いざ帰ろうとしたら「約20万円」を請求された。
「入る前に客引きから『飲み放題3千円』と聞いた」と抗議したが、
高額な料金が小さな文字で書かれたメニューを示された。
威圧的な店員に指示されて近くのコンビニのATMで金を下ろし、半額を払った。
それで済むと思っていたが、店で提示させられた免許証から住所や氏名を店側に知られており、
後日、男2人が家に来て「残りの半分を払わないなら職場に行くしかない」と言われ、渋々払ったという。
こんなの警察にいけばいいではないかと思う方もいるかもしれませんが、
警察にいっても「民事の問題なので介入できない」と言われて解決はしてくれない。
ぼったくり店は「ぼったくりのプロ」なので、上にも書きましたが
「高額な料金が小さな文字で書かれたメニュー」というものを必ず用意しています。
客の見えるところにおいてない場合がほとんどですが。で、警察にいって
「入るときに言われた金額と全然違う」というと、
ぼったくり店はどっかから持ってきたみたこともないメニューをみせて
「お客は納得して酒を飲んだ」と主張します。この時点で言った言わないの水掛け論になってしまい、
警察官に「民事の問題なので介入できない」といわれ、
警察が解決してくれると思っていた客が絶望してお金を払うことがあるのです。
一応、県警は「民事の問題なので介入できない」との立場だが、
支払いを巡るトラブルの通報で駆け付けた場合、客と店員に対して
「金額に納得していないから契約は成立しない。
後日、第三者を立てて話し合うように」と伝え、両者を一度引き離すようにしている。とのことだ。
ぼったくりに合わないように注意するのはもちろんだが、
もし遭遇してしまったらあきらめずに警察を呼び、後日話し合う形にしたほうがよいですね。
そして、警察は解決してくれないということも覚えておきましょう。
悪質客引きがなぜ堂々と客引きしていられるのかというと、
悪質客引きグループのメンバーが金を出し合ってプールし、
警察に摘発された仲間の罰金の一部を肩代わりしているのだ。
仲間内では「保険制度」と呼ばれ、摘発された後の現場復帰を支えているといい、
捜査関係者は「罰金を科す意味がなくなる」と警戒している。
「保険制度」では客引きから1人数万円を集めてプール。
罰金刑を科されたメンバーの離脱を防ぐ狙いがあるという。
これにより捕まっても大丈夫という気持ちで堂々と悪質客引きができてしまい、被害者が後を絶たないのです。
ぼったくりによる今年の通報件数は7月末時点での721件。既に昨年1年間の約5倍に上る。
県警や熊本市は、悪質な行為がなくても客引きを取り締まれる条例の制定を目指しているそうですが、
後手に回ったことによりまだまだぼったくりの被害が減ることはないでしょう。