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一昨年に起こった出来事です。
喫茶店で小説を読んでいると突然おばあさんが来て、椅子で僕の頭を殴りました。
いきなりの出来事におどろいた僕は痛みでうずくまっていたのですが、背中を椅子で殴りつけられたのです。
どうしていいかわからなくて頭を抱えていた所、おばあさんは、「ケーサツ呼んで！」と叫び始めました。
一瞬攻撃が止まった隙に窓際に逃げました。
痛いのを我慢して「何なんだよ」と泣き声で叫びました。
周りにいたお客さんがおばあさんを抑えてくれたので落ち着いたのですが、店員の女の子が僕の頭に雑巾を押し付けてきたのです。
その雑巾は、血まみれになっていました。
店長みたいな人が奥から出てきて、おばあさんをなだめて話を聞くことになり、おばあさんは興奮していて、「ケーサツは？」とか「この泥棒！」などと叫んでいました。
しかし、僕には全く身に覚えがありません。
10分位が経ち、警察が来ました。
おばあさんは少し落ち着いて、「絶対に許さない」と僕を睨んでいました。
警察官の話によると、先日の夜にバイクに乗った男にカバンをひったくられて大金の入った財布や家の鍵などの貴重品が盗まれたようで、その犯人が僕だと言うのです。
その日の夜は、友達と飲んでいましたし、バイクの免許は持っていません。
僕には身に覚えがないですし、居酒屋に行けば僕のことを覚えている人がいると思ったので警察官に言いました。
しかし、警察官は、話は警察署で聞くと僕の話を聞いてくれません。
多分、警察官は僕のことを犯人だと疑っているのだと思います。
金髪でチャラい服装をしていた僕が悪かったのかもしれませんが、警察官はおばあさんの心配しかしていません。
「お怪我はありませんか。」とか「だいじょうぶですよ」とか、僕のほうが大怪我しているのに…。
とりあえず派出所に連れて行かれました。
徒歩だったので血まみれの男が警察官に連行されるのは、周りから見ると暴力事件でも起こしたのかと疑われそうですよね。
実際にそのように思われてしまったのでこの事件の後、引っ越ししました。
派出所で警察官とおばあさんと話すことになり、おばあさんの話によると僕が犯人と同じ服装をしていたということでした。
これには警察官も困っていました。
「他には？」とか「顔は見たのか」を聞いてもおばあさんは、「顔を隠していたので後ろ姿しか見えなかった、でも服装が一緒」だというのです。
そもそもの話、後ろからバイクでひったくる人は顔を隠さない訳がない。
僕が着ていたアロハシャツは特徴的だと思う。
それだけで犯人扱いするならアロハシャツを着ている人は皆同じ目にあっていると思います。
黙って聞いているとおばあさんが、「それにこの人金髪だし」と言ったら警察官が「髪型を見たの？長さとかはわかる？」と聞いていました。
僕は変だなと思っていたら。
おばあさんは「見てない、でもこの人金髪だもの」というのです。
金髪の人は大抵このようなことをするといいますし、警察官も同意していたので僕は怒りがこみ上げてきました。
そしておばあさんの証言を全て指摘したのです。
「本当にそれだけで僕を犯人だと思うのですか」
するとおばあさんは、「しらばっくれちゃって、早く返しなさいよ！この泥棒！」というので僕は、泥棒の姿を確認できたのか、背中のロゴはなんと書いてあったのか、柄はなにかを聞くとアロハシャツで花柄だと言うのです。
花柄の色を聞くと黙り込んでしまいました。
そして、僕は「アロハシャツを着ているだけでいきなり椅子で殴りつけるとか、普通に考えるとそっちが犯罪だろう」「いい加減病院へ行かせてください。それともこの人の証言を信じて僕を逮捕するのですか」と言ったのです。
するとおばあさんも警察官も言い返してきませんでした。
間もなく上司が来て、おばあさんは厳重注意だけで済まされました。
僕は額を3針縫って肋骨にヒビが入っていました。
おばあさんから電話がかかってきて、謝罪かと思ったら、僕が犯人ではない証拠はあるのかということでした。
再び警察を呼んで好きなだけ言わせて全て論破しました。
やっと終わりました。
傷害罪で訴えようかと思いましたが、お金がないのでやめました。
さらに後日、僕はバイトをクビになりました。
僕が警察に連れて行かれるのを店長が見ていたようです。
何故警察に連れて行かれたのかの理由を聞いてもらえずにバイトを辞めたのです。
家では元々仲が悪かったのですが、さらに悪化し、親には「恥ずかしくて外も歩けない」と言われ絶縁状態になってしまいました。
近くに住むのを嫌がるので再びバイトをして半年くらいで引越しました。
それ以来親とは連絡をとっていません。
今は、金髪もやめ、アロハシャツも着ていません。
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