「責任者をさっさと出せ! オレの言ってることがわからないのか?」
「あきれた。お前は、本当に社会人か? クソったれ!」
「責任者をさっさと出せ! オレの言ってることがわからないのか?」
「あきれた。お前は、本当に社会人か? クソったれ!」
罵声や怒号が飛び交うコールセンター。
人格が変わったように、暴言を電話越しに浴びせます。
出典: tokutyou.com
「なにもできず、ずっと手が震えていました」
ストレスを一身に受け止めるのがテレフォンオペレーター。
「なぜ、こんな侮辱をされないといけないんだろう…」
「バカみたいな話し方をするな!ってよく言われました」
オペレーター達が発する言葉が、深刻さを示しています。ストレスは相当なようです…。
“心の労働者”とも呼ばれるコールセンターの従業員たち。
侮辱だけでなく、卑猥な言葉といったセクハラ被害を受ける実態があります。
中には、こんなケースも。
「40代の顧客が、3ヵ月以内に163回の苦情電話をし、25人の従業員たちに暴言を放った」
出典: camerasaikou.com
とはいえ、問い合わせの電話は毎日やってきます。
みんなが、なんとなく気づいてるけど、どう解決したらいいかわからない…。
韓国の石油会社GSカルテックスは、
この問題をとてもシンプルなアイデアで打開。労働環境を改善させました。
“優しくて、頑張り屋な「私の娘」がもうすぐ電話で対応します”
“僕の大好きな、愛する妻が、もうすぐあなたを助けます”
“私の世界一大好きなママが、もうすぐ案内します。もう少々お待ちください”
アイデアは、コールセンターの呼び出し音を「従業員の家族の声」による録音メッセージにするもの。
オペレーターへの暴言は、オペレーターの家族も傷つけている。
知らず知らずのうちに、だれかの家族を傷つけているかもしれない……。
「この呼び出しでお客様に思い出させました。コールセンターの従業員にも家族がいることを」
オペレーターに笑顔が戻ります。冒頭の悲壮さは欠片もありません。
実際、オペレーターにつながるまでの長い時間が、
クレーマーのストレスを増幅させ、より神経質に攻撃的にさせる一因となっていたのかもしれません。
そんな心を和らげ、一息つく時間に。
出典: s.eximg.jp
取り組みによって、オペレーターの表情は晴れやかに。
「通話のはじめに、お客様が『お仕事お疲れさま』と
声をかけてくれたことがとても嬉しかったです」と、喜びます。
オペレーターにも、そしてクレーマーにも大切な家族がいる…。
誰にも家族がいることを思い出せば、日常のコミュニケーションが
もう少しだけ優しいものになるかもしれません。
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