米コロラド州デンバーの小学校教師、カイル・スクワーツさんは、子供たちのことを少しでもよく知るために、あるアイデアを思いつきました。それは、「先生に知ってもらえたらな~」ということを生徒に書き出してもらうこと。そうすれば、子供たちのいろんな思いを知ることができると思ったのです。
米コロラド州デンバーの小学校教師、カイル・スクワーツさんは、子供たちのことを少しでもよく知るために、あるアイデアを思いつきました。それは、「先生に知ってもらえたらな~」ということを生徒に書き出してもらうこと。そうすれば、子供たちのいろんな思いを知ることができると思ったのです。
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「I wish my teacher knew」から始まる文章を書いてもらったスクワーツさんは、その内容に少なからず衝撃を受けました。中には、ユーモアたっぷりに書く子供や「先生が、私が歴史をもっと勉強したいって知ってくれたらな」という自分の好きなものを伝えるメッセージもありましたが、スクワーツさんに一番ショックを与えたのが、多くの子供たちがストレスや悲しみを抱えていたこと…。
“@doodlinmunkyboy Lame jokes are the best! I got #iwishmyteacherknew I love school. Guess it's elem vs high school”
kylemschwartz フォローする 2015-04-07 08:29:11「先生が、私が学校が大好きってこと知ってくれたらな」と書いた生徒。こんなメッセージは、なんだか嬉しくなりますよね。
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「先生は、僕には遊ぶ友達がいないって知ってくれたらな」と書かれたメッセージも
“#iwishmyteacherknew how much I miss my dad since he got deported #edchat #ImmigrationReform”
kylemschwartz フォローする 2015-04-07 05:25:50両親のことで様々な事情があり、深い悲しみを抱えている子供が決して少なくないことを知り、ショックを受けたスクワーツさん。この子供は「僕が3歳の時に、パパはメキシコに強制送還されたんだ。それから6年も会っていないから、パパが恋しい」と綴っています。どれだけ寂しい思いをしているか、その気持ちを先生に知って欲しいと…。
“Wow. Just wow. A must-read for parents and teachers... #iwishmyteacherknew https://t.co/DFZXTlIPmL”
miriamjayne フォローする 2016-09-01 08:48:26こちらの生徒は「パパは2つも仕事を掛け持ちしているから、あまりパパに会っていないってこと、先生に知って欲しいな」と書いてあります。子供が密かに孤独な思いをしていることを、生徒たちにこうして書きこんでもらうということがなければ、知ることはなかったかも知れません
“@kylemschwartz @matthewwygal #iwishmyteacherknew”
LisaCurtin7 フォローする 2015-04-10 09:48:25“#iwishmyteacherknew”
MeghannMajdi フォローする 2015-08-19 11:04:06何人かの子供たちは「苛められているから悲しいということを知って欲しい」と書き込んでいました。また、母親が病気がちだったり、宿題をする鉛筆も持っていなかったり、親子でシェルター(保護施設)に住んでいたり…と、子供たちはいろんなことを「先生に知って欲しい」と書き込んだのです。
スクワーツさんのこの「生徒の心の声を聞く」という試みはあっという間に拡散し、他の学校でも教師が同じように「先生に知ってもらいたいことを書いてもらう」という授業をしたそう。
「生徒のことをもっと知りたい」というスクワーツさんの思いは、子供たちの「先生にもっと知って欲しい」という思いと繋がり、一人一人の子供たちの環境を知ることで親もまた、学校内では、先生は子供のことを良く知っているという安心感が生まれるとある母親は述べています。
スクワーツさんは、ツイッターでも「#IWishMyTeacherKnew」のアカウントで、子供たちの心の声を発信し続けました。そうすることで「どれだけの子供が孤独で、貧困かということを周りも知ることになる。そしたら解決へ向けて、コミュニティや組織が動くことになるでしょう。子供たちの環境を救うには、社会の協力が必要なのです」と述べています。
「時々、悲しいことやストレスが溜まってしまうことがあっても、先生の授業を受けたら気分が良くなるよ!」と書いてくれた生徒もいる様子。先生と生徒のコミュニケーションが取れれば取れるほど、互いにオープンに接することができ、またクラスの雰囲気も変わって来るのではないでしょうか。
先生や親に伝えたいこと、知って欲しいことをなかなか直接口に出すことができないという子供もたくさんいます。こんな風にちょっと書いてもらうことで子供たちの心のメッセージを読むことができるというアイデアを生み出したスクワーツ先生は、とっても素敵。他の学校の先生がつい真似したくなる気持ちも、なんだかわかりますね。
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