出典: ascii.jp
── もともと大食いな子だったんですか?
そうでもなくて。ただおうちでごはんを食べてもおなかいっぱいになったことがなかったです。普通に三人兄弟でお兄ちゃんも食べるんですけど、炊飯器のごはんがなくなったら終了。毎回なくなってましたね。
── 大食いですねそれは。
食べるほうではあるな、とは思ってました。子供のころは満腹になったことがなかったのでガマンという自覚もなかったです。自分が人より食べるなと気づいたのは、バイトしたお金で初めてバイキングに行った18歳のころ。2時間ずーっと食べつづけてました。
── 友達ポカーンじゃないですか。
友達は30分とか1時間で食べ終わってましたね。わたしは「まだ食べられるよー」って感じでした。
── 出身は北九州市です。
そうです。その後、仕事の都合で山口にいました。24歳のときに、広島で大食い番組の地方予選があって、わたしもまあまあ食べるし出てみようかな~と思って出てみたら、他の人たちとぜんぜん違うレベルで食べてしまって。
── 山口の巨人が来たぞと。
それで番組から「もっと出てほしい」と声がかかったんです。芸能のお仕事にも興味があったので、どうせなら東京に出て、ちゃんと大食いタレントになろうかと。ブームが終わったくらいのころでしたけど。
── 上京してすぐ芸能事務所に?
東京に出てきてちょっとしたら事務所に誘っていただいたので、すぐ入り、その後フリーランスで活動をし始めました。
── フリーランスでやっていたこともあったんですか。
はい。大食いなでしこ(テレビ番組「腹ペコ!なでしこグルメ旅」)に出たり、地方ロケに行ったり。週1回くらいのペースでお仕事させてもらってました。
── そしてあるときYouTuberになると。やや唐突ですが、なぜですか?
なんか楽しそうだなと思って
テレビのお仕事も好きですが、自分が伝えたいことを自分の言葉で視聴者さんに伝えられるYouTubeに魅力を感じたんです。最初はYouTuberになるぞ~という感じじゃなかったんですけど、始めてみようかなーと、試しに。
── 最初の動画を見るとかなり「試しに」感はありますね。
YouTubeの知識もなかったから、iPhoneで動画を撮って「iMovie」ってアプリで編集してました。その頃はまだパソコンも持ってなかったので。
── そのあと比較的すぐYouTuber事務所のUUUMに所属します。
なんか楽しそうだと思ったんです。UUUMが大手だったし、ヒカキンさんもいるし、というので問い合わせて。サポートをしてくれるというのを聞いて、いいなーと。ぜんぜんYouTubeの知識もないし、助けてほしいなって。
── かなりのハイペースですが、これはなぜですか。
あるときから1日1本のペースにしました。最初は週に1~3本でしたけど、「毎日出したほうがいいよ」というアドバイスを受けてからは毎日投稿しています。
── 毎日やるんじゃネタが大変じゃないですか?
食べ物に関する動画がメインなのでネタに困ったことはないです。逆に、お店に行くと「今度これを食べてみよう!」というのがいろいろ出てきます。見てくれている方も「こういう食べ方があるよ」と教えてくれます。むしろ、あれをやりたい、これをやりたいというほうがいっぱいある状況です。
── 現在YouTubeチャンネル登録者は70万人を超えています。
UUUMのアドバイスがあったからだと思います。言われてることが納得することばかりで、ためになります。「あれをしなさい、これをしなさい」というのではなく、アドバイスをしてくれるだけだから信頼できるというか。
(UUUM担当者)小さいことの積み重ねです。サムネイルのつくりかた、編集方法、他の方とのコラボレーション。すべてを実行することは難しいと思いますが、木下さんは素直に実行して、自分のものにしてくれています。
── インターネットは視聴者のコメントが届きます。中には悪いことを書かれることもあると思いますが。
ポジティブな意見がすごく多いです。ネガティブなコメントがあっても逆に、ちゃんとした注意は「そうかー」と思えるので、動画を作るときの参考にさせていただいています。
── 悪いことを書かれて落ち込むことは?
あまりないですね。
── 逆に、コメントによって動画を変えていくことはありますか?
はい、視聴者さんの意見はとても大切にしています。
── 大切にしている理由はなんですか?
みんなと一緒に動画を作っている感じがするからです。いろんな人の意見が聞けるのでよい動画が作れると思うんです。それに、だれかが1人が見たいものってみんなが見たいものだったりするんですよね。
── ラジオみたいに「ナントカさんありがとう!」みたいなコミュニケーションをとったりすることも?
コメントを参考にして動画を作ったときは、採用したコメントをスクリーンショットを出したりします。テレビよりファンとの距離がすごく近く感じますね。視聴者さんとコミュニケーションもとれてるので、とても楽しいです。
── 視聴者の都合を考えて配信時間を変えたりすることも?
やっぱり土日のほうが見てくれる人が多いので、たくさんの人に見てもらいたい動画は週末に公開したりします。逆に、平日はファンの人たちがよく見てくれて気がします。あと、毎週日曜はYouTubeLiveをしています。視聴者さんが夜ごはんを食べてる時間帯にライブ配信で約1時間、ごはんを食べてます。
── ごはんを食べるだけの60分ということですか。
視聴者さんからのコメントに答えたりしながら、一緒にごはんを食べています。コメントには「おいしそう!!」「今度はあれ食べて!」とか、「私も生放送を見ながら一緒に食べてるよ」なんてコメントをもらいます。
── 視聴者は男性ですか?
今は、6割以上が女性です。
── えええっ。ちょっと意外でした。
投稿を始めたときは男性の方が多かったんですけど、登録者数が増えるにつれて女性が増えていきました。「わたしは食が細いけど、いっぱい食べるゆうかちゃんの姿を見てるだけでうれしい」ってコメントをもらうこともあります。
── 木下さん自身、食べすぎで苦しくなっちゃうことはないんですか?
今まで1回も胸焼けや胃もたれをしたことがないんです。私の動画では食べたいものを食べたいぶんだけ食べてます。苦しくなることはないです。
── そういえば、食費かかって大変じゃないですか?
絶対にいっぱい食べないとおなかが空いてしょうがないというわけではないんですよ。私の胃袋は普段は皆さんと同じぐらいのサイズなんですけど、食べたぶんだけ大きくなるらしいんです。普通の量でも大丈夫なんですけど食べるのが好きだから食べちゃいます。
── 便利ですね……この先はどうしますか。またテレビに?
テレビのお仕事も楽しくて好きですが、今はYouTubeを頑張っています。最近は、海外からの視聴も増えてるんですよ。
── 海外ですか。
動画には海外の視聴者さんが翻訳してくれた字幕が付いているんです。コメント欄にもいろんな言語で書き込まれていて、世界中の人が見てくれているのが分かるのでとても嬉しいです。海外の人にも食の楽しさを伝えたいし、海外の視聴者さんにも会ってみたいです。
── お話を聞いていると、かなり自由にやれているのが伝わってきますね。
すっごい自由ですよ。どこにいてもYouTubeはできますから、ずっと日本にいなきゃいけないわけじゃないし。YouTubeをやるのがとても楽しいので、毎日が充実しています。
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