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売上損失続いた「クリスピークリームドーナツ」が売上回復できた理由とは・・・?

2018/05/30 UPDATE
 
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2006年日本上陸!

カリッ、フワ、トロ~。日本に上陸したドーナツを食べるために、
人々は長蛇の列を成し、あっという間に「行列のできるドーナツ店」の称号を手にした。

「懐かしいねえ。オレも新宿の店で並んだよ。平日にもかかわらず、1時間以上並んだ」
といった人も多いのでは。

熱狂長くは続かず・・・

熱狂は長く続かなかった。

大手コンビニがドーナツ事業に参入したこともあって、“クリスピー離れ”が進んだのだ。
急成長の反動などもあって、2015年3月期に8億1000万円の純損失に。
店舗数は17年9月末に46店舗まで減少した。

「もうクリスピーはダメだね。日本から撤退するでしょ」とささやかれていた。

復活の兆し?

既存店売上高は9カ月連続でプラスを維持。

3期連続で赤字が続いていたが、18年3月期は4期ぶりに増益を確保した。
なぜどん底から復活したできたのか。 次ページへ続く
(ここで改ページします)

行列ができていた一方で、落とし穴が。

接客体制の改善

たくさんのお客さんが来られるので、店のスタッフは「いかに早く、いかに効率よく」対応することばかり考えていました。「はい、並んで、並んで」といった感じで。箱で購入される人はこちらに並んでくださいね、バラで購入される人はこちらに並んでくださいね、といった具合に行列をさばくオペレーションになっていました。
改善後・・・
「いかに早く、いかに効率よく」といった対応ではなくて、できるだけ丁寧に接客する。

以前は現場に任せる傾向があったのですが、会社として人材教育にチカラを入れるようにしました。
商品をきちんと説明することができているのか、お客さんにきちんと接客できているのか、
お店でゆっくりくつろいでいただけているのか。
どこの店に行っても、心地よく感じられるサービスを受けられるように、改善していきました。

座席を減らして、心地よさ重視

いくつかの店でレイアウトを変更しました。
例えば、東京の有楽町、渋谷、大阪の阿倍野などの店舗では席数を減らしました。
以前は席数が多かったので、座ったお客さんは「ちょっと狭いな」「隣の人と近いな」と感じられたかもしれません。
店内で心地よさを感じてもらうために、席数を20%ほど減らしました。
結果・・10%も売上が向上
渾身の新メニュー導入!! 次ページへ続く
(ここで改ページします)

新メニュー・ブリュレ グレーズド カスタードの考案

どうすればヒット商品をつくることができるのか。何をすればいいのか。オリジナル・グレーズドにチョコレートをトッピングしたり、ジャムをのせたり、シュガーをまぶしたりといった商品を出してきましたが、爆発的に売れたわけではありません。ああでもないこうでもないと考えて、創業時から味を変えていないオリジナル・グレーズドを生かしつつ、第2の核となるドーナツをつくることにしました。
グレーズドの表面をバナーであぶることで、ドーナツに苦味とカリッとした食感を加える。中にはカスタードクリームを詰めることで、トロリとした食感を味わえる。「ブリュレ グレーズド カスタード」という商品名で、2016年11月に発売したところすぐに話題になって、売り上げを見ると全商品(通常14~15種類)のなかで2位にランクインしました。
出典:

愛され続けるために・・・

なぜクリスピー・ドーナツの店で並ぶ人が少なくなったのか。「コンビニがドーナツ市場に参入したので、売り上げが減少したんでしょ」と思っていたのですが、実はそうでもない。考えてみれば、コンビニ各社は現在ドーナツにチカラを入れていませんからね。


 業績が低迷したのは外的要因というよりも、むしろ内的要因の影響が大きい。行列をさばくためのオペレーションを見直したり、店内の席数を減らしたり、日本流の新定番を開発したり――。この3つがうまくかみあったことで、業績が回復しつつあるわけですね。

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