小学校5年生の時、寝たきりで滅多に学校に来なかった
クラスメイト女の子がいた。
そのクラスメイトは、たまに学校に来ても
すぐに早退。
「あいつだけズルイなぁ・・・。」
なんて思ったよ。
その子の家から結構近くに住んでたから、毎回連絡帳を届ける事に
女の子のお母さんから連絡帳を貰って、先生に届けて、
またお母さんに渡して・・・。
それの繰り返し。
「なんで俺がこんな面倒臭い事しなくちゃいけないんだ!」
って、思っていた
そんなある日、俺何となくその子の連絡帳の中を覗いてしまった
出典: askul.c.yimg.jp
ただの興味本位だったんだけど。
連絡帳にはその女の子のものらしい華奢な字で、ページ一杯にこう綴られてた。
ショックだった。
学校行かないのは、楽な事だと思ってたから。
ハンデがある分、ひいき目にされて羨ましいって思ってた
でも彼女の文章には、学校に行けない事の辛さや
普通にみんなと遊びたいって気持ちが伝わった
自分が普通に毎日学校に通ってんのが申し訳なくなった。
だから、連絡帳にこっそり書き込んだんだ。
「いつでも、待ってるからな。体が良くなったら遊ぼうな!」
って。
でも次の日の朝、その子の家に行ったら
「もう、連絡帳は届けなくていいの。」
ってその子のお母さんに言われた...
あまりにも突然だった。
幼かった頃だけど、その子のお母さんの言ってる意味はすぐに理解した
「この子は天国に行ったんだ。もう一緒に遊ぶ事は出来ないんだ・・・。」
そんな事考えたら涙が溢れて、止まらなくって・・・。
ずうっと泣き続けてた俺に、その子のお母さんは連絡帳をくれたんだ。
せめて君だけは、学校にも行けなかったあの子を忘れないで欲しいって。
あの時の連絡帳は、今でも引き出し下段の奥底にずっとしまったきりだ。
あれから、本当に自分の人生に色んな事があった。
時には泣きたい事、辛い事の連続で、
自殺しちまおうかなんて思った事もあったけど、
そんな時はいつも引き出しを開けて、女の子の連絡帳を開くんだ。
そして、彼女が亡くなる直前に書かれた文章を読み返すんだ。
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