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秋の夜長に怖い話はいかがですか?「ダブル不倫の果て」「憧れていた先輩の裏切り」他

自分の身に起こった時の、恐怖。
2016/09/21 UPDATE
 
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  • 愛犬の嫉妬

  • 私が幼児の頃から飼っていた愛犬が死んだ。
    12歳まで生きたので、犬にしてはまあまあ長く生きた方だろう。

    家族全員に見守られ眠るように亡くなったのち火葬、残った骨には緑色の何かが残っていて、火葬場で長く働くおじいさんに
    「これはわんちゃんが幸せだったって証拠だよ。」
    と教えてもらった。

    家に帰ってからは、心にぽっかりと穴が開いたような強烈な寂しさと悲しみで連日涙がにじんだ。
    いつも愛犬が寝ていた場所についつい目をやり、愛犬がいないことを再確認する日々が続いた。

    一年が過ぎたころ、妹がついに
    「新しく犬をもらってこよう!」
    と提案した。

    犬だからいくらでも代わりがいる、なんて思ってはいないが、それでも初めて目の当たりにした死で私の心は疲弊しきっていた。
    そして妹とともに両親に頼み込み、新しく犬を飼うことに決まった。
  • 私の家では昔から犬を飼うとき必ずボランティアからもらってくるのだが、今回も同様にネットで犬の写真を見て選び始めた。
    この子は可愛いからすぐ貰い手がある、赤ちゃんも貰い手があるとあれやこれや話し合い、結局2歳の犬に決めたその時だった。

    突然私のすぐ横から鋭く何かが飛ぶ。
    かなり低い弾道で飛んだそれは、パソコンの前に座る父の太ももに当たった。
    父は「痛っ!」と声を上げ、全員がぱっと当たったものを見ると、それは錆びた髪留めピンだった。
    細長い棒を二つ折りにしている形のよくある黒いピンである。
    当時家にはたくさんあったが、ここまで錆びているものを見るのは初めてだった。

    咄嗟に何かいるのか?と後ろを警戒して振り返ると、背後の襖が少し開いている。

    ここから飛んできたのか?

    しかし襖の中は服の入った引き出しがあるばかりで、ネズミのような小さい生き物くらいしか入れるスペースは無いはずである。

    ちなみに部屋はダイニングとつながっており、パソコンはダイニングとの境目あたりでその対角に私、私の隣に妹、その隣に母がいるという配置だ。
    そしてピンが飛んできたのは妹とは逆の方向、ちょうど襖が開いているところから発射されたとしか思えない軌道である。
    その飛ぶスピードと軌道の正確さは、私が狙って投げようと思ってもできないものだと直感した。

    私はこの現象のおかしさを必死に訴え家族も共感してくれたようだったが、襖の中を確認しても何も不審な点は無かったためそこまで騒ぎ立てることもなく、また父がパソコンの前に戻る。
    しばらくボランティアの連絡先や飼うまでのやりとりについて調べていると再度父が
    「痛っ」
    と声を上げた。

    私は父と少し距離があったため、何があったのかはしっかりと見えていた。
    パソコンの上に設置されたエアコンから何かが落ちたのだ。
    確認すると先ほどと同様の錆びたピンである。

    なぜエアコンの上に?
    そして揺れも何もないのになぜ落ちたのか?

    ようやく家族も奇妙だと思い始め周囲を見回すも、やはり原因となるようなものは何もいない。
    その夜は警戒して家族全員固まって眠ったが、それ以降何かが起こることはなかった。

    後になって母親が
    「もしかしたらあの時○○ちゃん(亡くなった愛犬)、私を忘れないでって言ってたのかもしれないね。」
    と言った。

    父親にばかりピンを当てていたのは、パソコンを操作しているのが父だったからなのかななんて笑い合って、ピンは愛犬からのメッセージだったということに落ち着いた。

    それからのこと、新しく来た愛犬が空を見つめていたり、私自身も家の中で何かの視線を感じることが幾度かあったが、きっと愛犬がそこにいるのだろうと思うようになった。
    引っ越した今ではそのような視線は感じず、またあの家に戻れば会えるのかな…思うばかりである。
  • 医師のカルテ

  • これは2年前の夏、まだ私が中途で入職したての頃、病院で夜勤中に体験した出来事です。

    その日、私は夜勤をする救急室にて患者対応をしていました。
    何台か救急車が入り、その内の1人が当院かかりつけの患者でした。
    そこで当直医から「カルテが必要」と言われ、内科外来へカルテを取りにいきました。

    救急室と内科外来は場所がかなり離れており、5分くらい歩いてたどり着く所にあります。
    夜間なので内科外来までの電気は完全に消えており、懐中電灯を持って取りに行くのです。
    病院勤務は慣れていたものの、やはり怖いなーと思いつつ、私はカルテを取りにいきました。
  • やっとの思いでたどり着き、内科外来のドアを開け、電気をつけます。
    やはり夜の病院というのはとても不気味です。実際に何人もの方が亡くなっている場所なので、霊という存在に対して敏感になります。
    必死で今度の休みは何をしようか、などと楽しいことを考えながらカルテを探し、見つけて帰ろうとすると、先程開けたドアの前にカルテが一冊落ちていました。
    見てみると、そのカルテは山中さんという方のものでした。

    こんなとこにカルテなんて落ちてたかな?と思いつつ、元あっただろう場所へ戻しておきました。
    その瞬間。

    プルルルルルルル

    電話が鳴りました。
    この時間に内科外来に電話…?
    疑問に思いつつ電話をとってみると
    「……みてよ…」
    と囁くような声がしました。
    私は真っ青になり、一心不乱に内科外来から抜け出しました。
    そして救急室に戻り、先輩に今あった出来事をすべて話しました。
    すると先輩は真っ青になりながら私に昔の話をしてくれました。

    最近までこの病院で働いていた山中という研修医がいたこと。
    そして、その山中という研修医が夜勤中にトイレで首を吊っていて、満面の笑みで死んでいたことを。

    あの声は研修医の山中という方だったのでしょうか。
    だとしたら、彼は一体何を見て欲しかったのでしょう。
    カルテの中には、何が書いてあったのでしょうか…。
  • 終わらない工事現場

  • 出典: hdrts.com
  • 私の主人は建築系エンジニアなのですが、業界全体が不景気のせいもあり、失業して半年近くになります。
    今までしてきた質素な生活と蓄えとで、当座の生活に心配はありませんが…気落ちからなかなか立ち直れない主人の姿を見るのは辛いです。

    住んでいるのが田舎の地方都市と言うこともあり、再就職活動は難航を極めています。
    それでも週に1件2件と、ぼつぼつ面接に呼ばれていますので悲観視は決してしていません。
    主人はこれを機に、悪くしていた膝痛の治療にも通えていますし、私はじっと静かに彼を支えて動向を見守っています。
  • 先週も主人は隣町の企業へ面接にでかけて行きました。
    お昼前には帰って来たので、温かい昼食を一緒に食べながら話を聞きました。
    すると、食後のお茶を飲みふっと溜息をつきながら、主人がこう言うのです。

    「前の企業で担当していた、○○ビルの改修工事現場の前を通りかかったんだよ。
    今、×月だよね?もう3ヶ月も完了が遅れているってことだ。変だなぁ…。」

    退職した企業の仕事ではありますが、自分が担当していただけに主人はその遅れが気になって仕方がない様子でした。

    「外から見ただけだけど、どうも内装の方に問題があるんじゃないだろうか。」

    それから数日後、主人が膝の治療のためにいつもの接骨院へ行くと、偶然にも前の会社で一緒に働いていた現場監督さんと待合で一緒になったというのです。

    その監督さんと主人は何度も一緒に仕事をしてきました。
    年齢は違うのですが割と気が合っていたそうです。
    監督さんは長年の腰痛に悩んでいて治療のために来ていたのですが、そこで主人は妙な話を聞かされました。

    例の、改修工事を請け負った○○ビルの工事現場は、主人が失業してからも監督さんが一貫して担当していました。
    主人が来ていた頃までは、何の問題もなく作業は順調だったのですが…主人が外れて以来、妙な出来事が続くようになったのだそうです。

    最初の異変は、内装の壁が文字通り「崩壊した」のだそうです。
    ビル自体は築数十年とかなり古かったので、誰も不思議には思いませんでした。
    傷んだ部分の壁を補強して工事は進行しましたが、今度は別の場所で配管ミスが起こっていたのです。さらには電気配線が焼き切れた…など、次々に小さな障害が起り、その度に工事は少しずつ遅れていきました。

    とうとうシビレを切らした社長(かなりワンマンな人でした)が現場に乗りこみ、作業員の皆さんを叱咤しようとしていた時の事です。

    梯子が倒れたような音がした、と何人かが言いました。
    物音を聞いて作業員が駆けつけると、部分的に崩れ落ちた壁があり、倒れた梯子のすぐ脇で社長がのびていた…と言うのです。
    さすがにエンジニア用のヘルメットをしていたので大事には至りませんでしたが、病院に担ぎ込まれた社長はしばらく絶対安静を言い渡されました。

    意識を取り戻した社長は
    「梯子?あれは倒れた梯子なんかじゃない!誰かが、私の頭と背中を背後から殴りつけてきたんだよ!」
    とわめいてやまないのだそうです。
    結局警察が呼ばれて現場が調べられたのですが、状況はわからないままでした。

    こうして工事は延びに延び、今に至っているそうなのです。
    監督さんは、こんなことを言っていたそうです。

    「あの現場ビルなぁ、お前に改修して欲しかったんだよ、きっと。だからお前をクビにした社長に仕返ししたし、今でも何かしらのトラブルを起こし続けている。
    ビルの復讐なんて聞いたことないが…俺にはそんな気がしてならないよ…。」

    主人はそのビルに因縁もゆかりもないので、いまだに頭をひねってばかりいます。
    建物に魂や意思が宿る。そんなこと、あるものなのでしょうか。
  • セクハラおじさん

  • エグい話になりますが、若い頃、私はいわゆる「心をサポートしてくれる場所」に2年ほど通っていました。
    そこには世代も状況も様々な人たちが集まって、カウンセラーと遊んだり楽しいことをしたりする場所でした。
    今は日本にもそういう場所がたくさんあるかと思います。

    私も最初の頃は、はしゃいだり楽しい気分で過ごしていたのですが、そこである年上の男性に出会いました。
    そこのカウンセラーではなく、私と同じくそこに通うお客さんです。
    20歳そこそこの私から見たら、いわゆる「男の子」というよりは「おじさん」とも言える年齢の男性でした。

    何度か男性と一緒に遊んで楽しくしていたのですが、ある日彼と電話をしていると私に妙な会話をふってきました。
    最初はあまりにもよくわからなすぎて、頭の中が「???」になったのですが…それはいわゆるテレクラのような、過激なセクハラ発言の連発でした。
  • 私は当時20歳前後とはいえ、まだまだ見た目が幼いだけでなく世間知らずと言われるようなタイプでした。
    なんだかよくわからなくて、しつこいので嫌だなと思い、カウンセラーにその男性のことを相談をしてみることにしました。
    打ち明けてみると、そのカウンセラーは

    「そんなことがあったんだね。…でも、ね?あの人はすごくいい人だと思うよ?」

    とあまり取り合ってはくれませんでした。
    しかしまだモヤモヤしていたので、もう一度違う日に詳細をさらに打ち明けてみました。
    するとカウンセラーは

    「そうかぁ。確かにちょっと…ああ!そっか!あなた、この前男の子みたいになりたいなーってその人にも言ったんでしょ?だからじゃない?あぁ、そっかー。あの人、気を使ってくれたんだ。やっぱりあの人、優しいなぁ~。」

    と、本当に心から頷いた様子で何やら納得していました。
    ちなみに確かに私はかなり男勝りな性格ですし、中性的な外見だといわれることが多いです。男の子になりたいなとも言った覚えもあります。
    ともあれ、私の気にし過ぎかなと思ってもう何も言わないでおくことにしました。何もなかったことにしようと思ったのです。

    その後、その施設に通う人たちの中から、信用できる人を選んで仕事を任せようという話になりました。
    すると私が相談していたカウンセラーの推薦で、私にセクハラ発言をしていたおじさんが頼られました。
    セクハラおじさんは、他のカウンセラーからも「すごく優しい人だよね」「あの人がいると、みんな明るくなるよね」と誉められていたので、満場一意での決定でした。

    私へのセクハラおじさんの仕打ちは、その後も続きました。私は耐え切れなくなり、その施設へ通うことを止めました。
    その後別の場所でカウンセラーに相談してみたら、その男性はあなたに訴えられてもいいほど酷い内容だとのことでした。

    それから数年後、その施設の情報を何気なく見てみたら、あのセクハラおじさんのことが掲載されていました。
    それは彼が
    「苦労しているけど、がんばった”立派”な男性」
    として、たたえられている内容でした。

    私はセクハラおじさんの発言のおかげで、今もなお具合が悪く、仕事もできる状態ではありません。男性との会話が出来なくなってしまったのです。
    そして私は母親にこの前
    「お母さん。私ね…将来、男の人と結婚しないかもしれないんだ。でも、別にいいよね?」
    ということをようやく打ち明けることができました。
    すると母は、やさしい表情で「いいよ」と言ってくれました。

    人間というのは一見してはわからない、裏の表情もあるのだなという怖さと、理不尽さを痛感した体験でした。
  • 不倫の果て

  • 出典: ikekoi.com
  • 私の友人の話ですが、友人は不倫をしていました。
    相手の男性も既婚者で、いわゆるダブル不倫でした。

    2人は離れた土地に住んでいたので、相手の男性が出張だと嘘をついて一ヶ月に2回くらい友人に会いにきていました。

    友人が言うにはただの恋愛ごっこというか不倫ごっこで、そんなに相手の男性に気持ちがあったというわけではなかったようですが、相手の男性は友人にのめりこんでいるようでした。
    それは相手の男性が奥さんとあまりうまくいっていなかったということも関係しているかもしれません。
    奥さんは家に帰ってもあまり話をしないとか、子供にかかりっきりだったそうで、そういう男性をかわいそうだと友人は思っていたようです。
  • ある時、友人と私とで映画を見ていた時に、友人の携帯に電話がかかってきました。
    映画中だからとその時は電源を切ったのですが、映画が終わってから電源を入れるとまた電話がかかってきました。

    その電話は、別れさせ屋からの電話でした。

    不倫などをしている人たちの配偶者に頼まれて別れさせるという「別れさせ屋」というものがいるようで、その電話でもう2度と男性と会わないようにと言ってきたようです。
    もし会ったり、連絡をしたら友人のほうの旦那様の会社も知っているのでそっちに電話をすると脅してきたようなのでした。

    友人はパニックになりました。友人としては家庭を壊すつもりなど全くなかったのですから、そんなことをされては大変です。
    ですから、相手の男性に電話をかけ、こういう電話がかかってきたからもう会えないというようなことを伝えたようです。

    ですが、相手の男性はそんなことは嘘だと言って、友人と会えなくなるのは嫌だと言ったようです。

    そして、その週にも彼は友人に会いにきたのです。
    けれども友人はきっとその別れさせ屋は知っているし、尾行をされているから会いに行かないと言って、断りました。

    こうして会うことはやめたのですが、とりあえずメールや電話で連絡を取り合おうということにはなったようです。

    しかし何日か経ったある日、友人の元に手紙が送られてきました。
    それは男性の奥さんがよこした手紙でした。

    その手紙を私も見せてもらったのですが、とても怖い手紙でした。
    というのは、あなたのしていることは知っている。私は絶対にあなたを許さない、ということが赤いボールペンで何度も何度も書かれてあり、どこで知ったのか友人の住所や名前が書いてありました。
    封筒には針で刺した後が無数にあり、特に名前の所にたくさんの穴が開いていました。

    その手紙の文章も途中からだんだん文字が乱れていって、針で刺した跡がたくさんありました。

    その後、相手の奥さんは鬱病になってしまったそうで、もう二度と会うということもできない状態になりました。

    そういった話はドラマや小説の世界だけのことかと思っていましたが、友人が実際に経験して報告をしていたので、とても怖かったです。
  • 憧れていた先輩の裏切り

  • 私は中学生の頃、バスケットボール部に所属していて、一つ上にマドンナ的な憧れの先輩がいました。
    私はその先輩ととても仲がよくて、プライベートでも頻繁に遊んでいました。

    ある休日、突然その先輩から電話があり「家に遊びに行っていい?」と尋ねられました。
    もちろん私は喜んで自宅の場所を教え、しばらく経つと「今着いたから外出てきてくれる?」と電話で呼び出されました。
    外へ出ると1台の車が止まっていて、見知らぬ男性と共に先輩が乗っていました。
    そして「このまま遊び行こう!」と言われドライブがはじまりました。

    一体どこに行くのかと思いきや、車はどんどん田舎の方へ進みます。
    しかも先輩は途中で「用事があるからまたね!」といって帰ってしまいました。
    「え~帰るの?」と思いつつも、私はその先輩を信頼しきっていたため、その後も何の戸惑いもなくドライブの時間を楽しんでいました。

    しばらくすると車は知らない家の前に止まりました。そして
    「お前のこと気に入ったし、少しお茶しようか」
    と言い出した男性は、強制的に私を家の中へ連れ込みました。
    家の中には、いかにもチンピラ風な人達が数名いました。
    見た目は怖かったのですが、その方たちは私にとても親切にしてくれました。ですが、夜になっても帰らしてはくれませんでした。
    私は「そろそろ帰りたい」と何度も言いました。
    すると男性の一人がキレだし、親からかかってくる着信も出れる状況じゃなくなりました。

    状況から判断するに、どうやら私は先輩に売られたようです。
    仕方なく私はその日、どこかもわからないチンピラの家で一晩を過ごしました。

    泣きながらもいつの間にか寝ていて、男たちの話し声で目が覚めました。

    「朝鮮に高く売れる」
    「いや、でもまだかわいそうだよ。」
    「うーん…」

    私の今後を話しているのでしょうか。私はそのまま寝たふりをしていました。
    頭の中では、もう帰れないのかもしれないな…と覚悟を決め始めていました。

    朝になると、昨日はいなかった男性が一人いました。トイレに行こうとすると、その男性もついてきました。
    「本当はこんなことしたくない。けど、君が逃げださないように見ていなくちゃいけない」
    そう言われました。
    「別に逃げないので大丈夫ですよ」
    と、私は返事しました。

    「つまらないチンピラに捕まっちゃったな…お母さんごめんなさい」
    私はなんとなく、心の中で母親に謝っていました。
  • 拉致されてから1週間がたちました。

    まだ日もあけてない夜中の三時頃、男の人に無理やり起こされ、凄い勢いで車に強制的に乗せられました。
    ついに朝鮮に送られるのか…なんて考えていました。もうこの数日間は現実逃避するために無人になっていました。
    家族のことや思い出などを振り返ると、あまりにも辛すぎたからです。
    もう死ぬ覚悟も出来ていましたし、涙も出なくなっていました。

    ボーッと車から外を眺めていると、どんどん見覚えのある景色に変わっていきました。
    そして車は、私の家の前に止まりました。

    「元気でな。後は俺が何とかしとくから」
    連れ出してくれたチンピラは私にそう言い残し、立ち去りました。

    その男性は私に同情してくれたのでしょうか。今だに分かりませんが、無事帰ることができました。

    家に帰るなり、早速母に怒られました。
    拉致されてから心配をかけないように、家には「友達のところにいる」と連絡していましたが、1回そう伝えたきり連絡が途絶えていたので心配だったようです。
    母はこの現実を当然知りません。誰かに話したのもこれが初めてです。
    もう10年以上前の話です。

    その先輩は私が戻った時にはもういなくなっていて、その後もどうなっているのか不明です。
    今となってはとても恐ろしい出来事ですし、何事もなくて良かったと思っています。
    今は平凡ですが、幸せに暮らしています。
  • 信号無視した車

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